青春18きっぷで行く甲府駅近ワイナリー「サドヤ」で贅沢ランチ

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日本のワイン発祥の地であり、日本で一番ワイナリー数の多い山梨。明治10年(1877)には祝村下岩崎(現在の勝沼町)で民間初のワイナリー「大日本山梨葡萄酒会社」が設立され、現在では甲州市勝沼には老舗から大手まで大小30軒以上のワイナリーが点在しています。しかし山梨のワインは勝沼だけではありません。産地が違えばテロワールも栽培されるブドウ品種も様々です。山梨にはまだまだ隠れた美味しいワイナリーがたくさんあり、なかでも代々受け継ぐ伝統や製法を守りながらも新たな発想でワインを醸造しているワイナリーがあります。甲府駅から歩いて5分の駅近のワイナリーサドヤのレストラン「レアル・ドール」で、SADOYAワインと山梨の地の食材を生かしたフランス料理のマリアージュを楽しみに出かけます。

NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」で話題をよんだ村岡花子は、「赤毛のアン」を日本で最初に翻訳した甲府市出身の翻訳家で、東洋英和女学院を卒業すると、山梨英和女学院に英語教師として赴任しています。その際はこの甲府駅周辺を歩いたのではないかと思われ、JR甲府駅北口からワイナリーサドヤまで「村岡花子の通り道」を歩きます。

歩くこと5分のところ、街中のぽっかりと異空間のようにあるのがワイナリー「サドヤ」です。江戸時代から続く油屋「佐渡屋」を明治42年(1909)「サドヤ洋酒店」へ転業、大正6(1917)年「サドヤ醸造場」として創業し、国内でいち早く地場産ブドウを使用したワインの醸造・販売を手掛けてきました。昭和11(1936)年には甲府市善光寺町にサドヤ農場を開墾し、フランスよりワイン醸造用品種の苗木を植え、以来カベルネ・ソーヴィニオン種、セミヨン種を中心に自家農園産ブドウによるワインづくりを続け、本格的な辛口ワインを醸造しています。ワイン漫画「神の雫」40巻では「日本三大シャトー」に数えられています。

広大な敷地内に南仏プロバンスの邸宅をイメージしたレストラン レアル・ドールは佇んでいます。入口近くのガーデンには葡萄棚があり写真撮影に人気です。

邸宅の入口を入ると待合スペースがあります。食事前にゆっくりと寛げる落ち着いたベージュ色のトーンの中、座り心地のよいソファにゆったりと体を沈めて食事への期待に心躍らせながら待ちます。

そして緑あふれるガーデンテラスに面したメインダイニングは、ひとつひとつのインテリアが南仏プロバンスの邸宅をイメージしたもので統一され、素敵な空間を演出しています。暖かいの照明は心落ち着く空間となっています。

街中にあると思えないような喧騒から離れ、ガーデンパーティーが行えるような広い緑に囲まれたガーデンの奥にはガゼボもあり、明るい陽射しを浴びた緑あふれるガーデンを見ながらのランチは、贅沢な一日の始まりを感じます。

ランチメニューはメインディッシュを3品の中から1品または2品を選ぶチョイスメニューで定期的にメニューは変更になります。今月のチョイスメニューは「ムール貝のナージュ サフランの焼きリゾット添え」「甲州信玄どりのコンフィ ディアブル風」「本日のおすすめメインディッシュで今回は富士桜ポークのソテー」でプチコースはオードブル、スープ、チョイスメニュー1品、パン、デザート、コーヒーまたは紅茶で3300円、シェフズコースはチョイスメニューが2品で4730円に今回は+880円でデザートを山梨県産「桃のパフェ」に変更しました。そしてワインはソムリエによるSADOYAワインのペアリング3種をお願いしました。

オードブルは「シマアジのマリネ バジルソース添え」そして合わせるワインは「サドヤスパークリング」。スパークリングの泡が陽射しに照らされて輝いています。チリ産のソービニヨンブランと山梨県産の甲州種をブレンドした辛口スパークリングワインです。緑がかった薄い黄金色からはフレッシュさを感じさせ、柑橘系の爽やかな香りとすっきり溌剌とした泡立ちのドライスパークリングになっています。

スープは「とうもろこしのポタージュ 焦がしバターをのせて」で、すごく甘く、焦がしバターがよいアクセントになっています。

「ムール貝のナージュ サフランの焼きリゾット添え」には「PAGE-ONEシャルドネ」を。長野県高山村日滝原地区のシャルドネを使用し、ワインコンサルタント、沼田実氏とのコラボレーション企画のワインです。第14回フェミナリーズ世界ワインコンクール金賞を受賞しています。

本日のおすすめメインディッシュで今回の「甲州産富士桜ポークのロースト 黒コショウの香るソース」に合わせるワインのひとつは「甲鐵百年 赤」もうひとつは「ミュール シャトーブリヤン 赤」をいただきました。サドヤ百周年記念ワイン「甲鐵百年 赤」は山梨県産マスカット・ベーリーAとカベルネ・ソーヴィニョンを使用していて富士山の麓で飼育されたジューシーな富士桜ポークを低温で焼き上げた肉質の甘味にフルーティな酸味とオーク由来の風味、バランスのとれた心地良い渋みとで長い余韻を楽しませてくれます。

また「ミュール シャトーブリヤン 赤」は甲府市善光寺町にあるサドヤ農場産のカベルネソーヴィニョンを使用したサドヤの最高峰ワイン「シャトーブリヤン」のセカンドラベルです。果実の香りと樽香が複雑に絡み合い長い余韻が感じられ、黒コショウソースのスモーキーでスパイシーな香辛料を使ったポークソテーにマッチしています。

デザートはお待ちかねの「桃のパフェ」です。桃を1.5個分使ったエレガントな桃パフェ。山梨では皮ごと食べるのが地元流。

2年前の改装されたテイステイング兼ショップはスタイリッシュなワインブティックに変化しています。

入口入って右手には購入できるワインを黒を基調としたシックな内装に約2500本ものワインを陳列し、間接照明を当てることでワインを劣化させることなく美しく浮かび上がらせています。

日本固有のブドウ品種・甲州の発祥は奈良時代とも平安時代ともいわれ、長い歴史を誇ります。古くから生食され、明治時代からはワインの醸造にも使用されてきました。片や日本の食卓には幅広い味わいが混在し、そんな日本食にあう、新しいスタンダードとなるワインを甲州で作りたいと考え、オレンジワインが赤・白・ロゼに続く第4のワインとして近年注目されていることから、ブドウの果皮に多く含まれる色素や香りを活かすため、オレンジワインの醸造方法で甲州を醸しました。「SMOKE」と名付けられた「甲州醸しスモーク」一見通常の白ワインのようですが、口に含んだ瞬間、白ワインとは確かに違う柑橘や杏などの香りとふくよかな果実味、フレッシュな酸味が絶妙はミディアムボディの辛口に仕上がっています。日本の食卓に寄り添うワインとなっています。

入口入って左手には試飲のためのカウンター。ワングラス500円から好みのワインが試飲でします。

そして奥にはテイスティングスペースがあり、SADOYAワインをじっくり選び、味わうことができます。

サドヤ農場を開墾して新しく植えた苗木から納得のいく品質のワインが造れるようになるまで10年。1946年産のワインをシャトーブリヤンと名付け発売するまで4年かかっている。シャトーは、お城や畑、ワイナリー等を指し、ブリヤンには「輝き続けるように」の意味を込めて、1950年「シャトーブリヤン1946」と命名されたのです。以来の年代が描かれたヴィンテージラベルは最高級の証です。

テイスティングカウンターで、「シャトーブリヤン・ミュール赤」と「シャトーブリヤン・ヴィンテージ赤」を呑み比べてみることができた。その違いは圧倒的で、ミュール・赤も料理に合わせやすい、近寄り安さがあったが、ヴィンテージは、カヴェルネ・ソーヴィニオンの熟成を経た香りが広がり、重厚なボディを感じ、ミュールの平板さが浮き彫りにされてしまいました。

至福のひと時をSADOYAワインと過ごしましたがまだ少しワインの余韻に浸っていたいとワインショップに立ち寄ります。明治時代からワイン造りが始まった日本ワイン発祥の地であり、約80社のワイナリーが集積する山梨県。そのお膝元であるJR甲府駅改札口の目の前にあるのが「カフェ&ワインバー葡萄酒一番館」です。

2021年4月にオープンしたお店では、県内約30社のワインを販売し、バーでは日替わりで6~8種のワインを提供しています。

中でも興味深いのが一升瓶入りのワインとその飲み方で、米が育ちにくい山梨では、一升瓶に詰めたワインが晩酌酒として昔から親しまれてきたこともあり、酒器はグラスではなく、普段使いの湯呑み茶碗で提供されます。ワイン樽をテーブルにした立ち飲みスペースで肩肘はらずにワインに接することができるこの気軽さが地元流です。

おつまみは山梨県産の食材を使用した料理が中心に充実していて、パック入りなのですべて持ち帰りも可能です。写真は「ワインと楽しむオードブル」で、列車内での晩酌に調達しました「イカのマリネ」や「キッシュ」「香味野菜の中華春巻き」などひとつひとつが丁寧に作られていて味のバリエーションも豊富で楽しめます。

駅弁大将軍2021で「駅弁大将軍」を受賞したのが、山梨らしさ、楽しさ、旅感をふんだんに盛り込んだお弁当「ワインのめし」です。「そそられる」という言葉は、こういうときにこそ使うのであろうと、その名を聞いただけで思わず食べたいと思ってしまいます。パッケージの絵に目を転じれば、牛が、豚が、鶏にキノコがワイングラスを掲げて乾杯しています。武田信玄であろう兜の武将も弁当を前に乾杯です。おまけに車窓の富士山までもがパーティーに参加しています。車窓から見える雄大な景色を眺めながら、ワイン片手に山梨まらではの素材を活かした「ワインのめし」を楽しみます。

ここは山梨甲府駅。日本ワインの産地であり、“ワインのめし”ののめしとは甲州弁で「飲みなよ」という意味でもあります。料理は9マスにちょっとずつ、このちょっとずつ作戦に食欲が再びそそられるのです。「ワインきのこと小エビのアヒージョ」「牛肉炭火焼白ワイン仕立て」とワインが欲しくなるメニューが並び、山梨ならではの素材も「甲斐サーモンのマリネ」「甲州ほうとうグラタン」「甲州地鶏テリヤキチキン」「甲州鳥もつ煮」と姿を変え、ワインとマリアージュに期待を持たせてくれます。「甲州フジザクラポーク」は、フワ、サクの次にソースの濃い味が染みるみんあが好きな「カツサンド」で登場です。バターの効いた「レーズンパン」に「チーズケーキ」が寄り添って甘味の世界も提供してくれています。存分に山梨テイストが味わえるこの駅弁にどのワインをあわせようかと嬉しい悩みを与えてくれます。「ドライフルーツ」と「月の小石チョコレート」はおまけかな。

 

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