白神山地と津軽西海岸の絶景スポット!JR五能線沿いの旅

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五所川原と能代を結ぶ路線というのが路線名の由来の、JR五能線は青森県の川部駅と秋田県の東能代駅の全長147.2km、43駅を結ぶローカル線。車窓から世界自然遺産の白神山地や日本海の絶景を望めることから、「おすすめローカル線ランキング」で必ず上位に入る鉄道ファン憧れの路線です。特に五所川原から先の6駅目の鯵ヶ沢から秋田県との県境近くの大間越駅間は、打ち寄せる波を車窓のすぐ向こうに感じながら海岸線に沿って進みます。日本海の沿岸ぎりぎりを走ることで、北東北の風光明媚な日本海のダイナミックな絶景が目の前に広がる津軽西海岸や太古の姿をとどめる白神山地が旅情を誘います。この五能線と並走して走る国道101号で海景色を望む温泉で疲れた体を癒すべく津軽西海岸を目指します。

まずはJR五能線五所川原駅の一つ手前陸奥鶴田駅が最寄り駅にあるのが、津軽富士見湖と呼ばれる廻堰大溜池に架かり、優美な姿を湖面に映す全長300mの日本一の木造三連太鼓橋が「鶴の舞橋」です。

鶴田町に新たな観光名所を作ろうと2億6000万円をかけて平成6年(1994)7月8日地元の銘木で耐久性の高い青森県産ヒバ材の丸太3000本、板材3000枚を使った珍しい木橋です。鶴田町にはかつて多くの鶴が飛来していたといい、2羽の鶴が羽を広げて空に舞う姿と背景の岩木山(津軽富士)が織りなす風景が格別です。平成27年(2015)5月23日NIKKEIプラス1何でもランキング歩いて渡れる絶景の橋で第10位、令和2年(2020)4月25日NIKKEIプラス1何でもランキング木橋の美しきシンボルで第3位に選ばれています。

途中には休憩所が二つあり目の前に広がる景色をゆっくり味わえ、橋を渡ると長生きができるとも言われています。この鶴の舞橋を一躍有名にしたのがJR東日本大人の休日倶楽部CM「津軽の逆さ富士」編です。『別名津軽富士とも呼ばれる岩木山を望む青森 鶴の舞橋。知らなかった景色なのにずっと見たかった、そんな気がしました。』と吉永小百合さんが休憩所から景色眺めてをいます。

鯵ヶ沢経由で津軽西海岸をJR五能線に沿って日本海の絶景を満喫しながら世界遺産「白神山地」の緩衝地域、「十二湖散策コース」に向かいます。

江戸時代から明治30年代にかけて、現在の大阪から北海道を日本海経由で結ぶ多数の廻船がありました。単に荷物を運ぶ船でなく、寄港地で商品を売買しながら航海する、いわば「動く総合商社」でした。瀬戸内地方から見て日本海は北にあたることから、この船は「北前船」と呼ばれ、寄港地に多大な富と民謡などの文化を運んでくれた船でした。

津軽藩の御用港として栄えた鯵ヶ沢は西廻り航路の寄港地として賑わい、大阪、北陸地方からの北前船が往来し、経済、文化等の恩恵がもたらされました。平成29年(2017)「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」として日本遺産に登録されたのです。

鯵ヶ沢駅はかつて“ブサかわ”な表情が愛くるしかった秋田県「わさお」が観光駅長を務めた駅です。

ここから五能線は海景との並走になるのですが、大人気なのが青森駅・弘前駅と秋田駅とを結ぶ日本海の絶景が楽しめる観光列車「リゾートしらかみ」です。白神山地に生息するクマゲラと五能線沿線で見られる夕陽をイメージした「くまげら」、日本海と十二湖の青をイメージした「青池」、そして白神山地のブナ林をイメージした「橅」の3編成すべての列車が白神の自然をイメージしたデザインで統一されています。「橅」の車体はグラデーションでブナ林を描いているのが新しく、車両デザインはJR東日本のクルーズトレイン四季島を手掛けた奥山清行氏です。

非電化区間の五能線は基本的にディーゼル車だ運行しますが、「橅」はこれにリチウムイオン蓄電池をを組み合わせたハイブリッド気動車です。JR東日本大人の休日倶楽部CM「五能線」編『青森から秋田へ 日本海沿いを走る五能線 目的地は車窓からの景色 そんな旅もいいものです。』とリゾートしらかみ「」の乗車しています。

五能線と並走する国道101号で津軽西海岸を走ります。リゾートしらかみでも15分間の停車が行われるのが「千畳敷海岸」。津軽藩主が岩棚の上で畳千枚を敷いて、2000間の幕を張り酒宴を催したとの伝説が残る千畳敷は、寛政4年(1792)の地震によって海床が隆起して水面にあらわれてできた岩棚の海岸です。岩の上を歩くことができるので、その広さが実感でき、潮風が心地よく吹き抜けていきました。

長い年月の浸食によって形成された景勝地で、約12kmにわたり美しい光景が広がります。太宰治の小説『津軽』や大月桂月の紀行文『陸奥の海岸線 五 大戸瀬の奇岩』など多くの文化人が訪れ、この景色を賞賛しています。「日本の夕陽百選」「日本の水浴場55選」にもなっています。

ライオン岩や西洋の兜のような形をしているかぶと岩などと名付けられた奇岩怪岩が海岸線に続くさまは圧巻であり、自然の力を感じます。

国道101号沿いの道の駅ふかうら「かそせいか焼き村」では名物一夜干しのイカ焼きがいただけます。

広戸~深浦駅間にある行合崎海岸は奇岩に囲まれたビュースポットであり、国道から100mほどの遊歩道を渡ってたどり着ける大岩は、階段を上って岩の上にでることもできます。右に行合崎、正面に水平線、左に入前崎と180度のパノラマが楽しめます。

深浦も「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」として日本遺産に登録されています。白帆1枚に頼って走る和船は、風が吹かないと動かなですし、天候が急変すれば遭難の危険もあります。そんな時に臨時に碇泊する小さな湾を「風待ちの湊」と言いました。その典型的な港が津軽の深浦です。深浦は、陸路では弘前城下に遠かったが、千石船が25艘も係留できる湾があり、難所の津軽海峡を一気に渡るための風を待つ、絶好の港でした。

深浦町の地名には北前船関連が多く、沖合を北前船が行き交っていたことから行合崎や塩見崎、風合瀬(かそせ)といった地名が見られます。深浦湾の南西にある岡崎海岸は古くから安全航海と豊漁を祈願する神聖な場所として知られ弁財天を祀る弁天宮がある海岸で「日本の渚百選」にも選ばれている景観の良さが自慢です。海に向かって左手から青岩、竹の澗、赤岩と並び右手奥に弁天島が見えます。

弁財天が鎮座するこの岩島は安東水軍盛んな時代からすでに「安東船守護深浦弁財天」と称され崇敬されていたとのこと。享保元年(1716)町の船問屋や漁民は航海安全、豊漁祈願のための弁財天を祀る小祠を建てたとあります。

さらに五能線と併走する国道101号を南下し白神山地の最寄り駅十二湖駅に向かいます。

白神山地とは青森県南西部と秋田県北西部の県境に広がる面積約13万haにおよぶ広大な山岳地帯。いまから約8000年前にできたと推定される東アジア最大規模のブナの天然林が広がり、標高1000m前後の稜線が幾重にも連なり、起伏と変化に富んだ自然風景とそれぞれの地形に応じて豊かな動植物に恵まれています。ほぼ手つかずの広大なブナ林が残されていて、中央の約1万7000haが世界遺産地域に登録されました。約1万7000haの世界遺産のうち中央部の約1万haは核心地域、その周辺約7000haは緩衝地域に区分されます。核心地域内の散策はハードルが高いが周辺には白神山地の魅力を存分に体験できる散策道が整備されています。

そのひとつである「十二湖散策コース」の拠点となる「森の物産キョロロ」は駅から車で15分のところにあり有料駐車場に車を停めます(500円)。白神山地のぶな林に足を踏みいれて深呼吸すると、甘く濃厚な香りが鼻腔に抜けます。しかもこの場所は、世界遺産に登録されている核心地域から3kmほど離れた十二湖エリアなのです。壮大な自然の広がりとブナの息吹を実感します。

白神山地の一角に位置する十二湖は、江戸時代・宝永元年(1704)この地を襲った大地震によって谷口が堰き止められ、地盤が陥没して形成された33の湖沼が点在するブナの森に囲まれた美しい公園です。崩山の中腹(大崩展望所)から見下ろすと、小さい池は森の中に隠れ、大きな12の湖沼だけが見えことから「十二湖」と呼ばれます。標高150m~250mに広がる自然林の中に個性的な湖沼をめぐる散策路が整備されていて、気軽に楽しめます。

森の物産館キョロロをスタートして約3分、すぐ左手に最初にお目にかかる神秘の池「鶏頭場(けとば)の池」に到着です。文字通り、上空から見ると鶏の頭の形に見えることからこの名前が付きました。深いブナやミズナラなどの原生林に囲まれたこの池は、大崩が間近に迫り、迫力ある景観が味わえます。標識のある脇の散歩道を歩いていくと湖畔に東屋が設置されていて、しばしブナのグリーンシャワーに包まれながら美しい池を見てリフレッシュできます。

白神山地の中でも有名な「青池」へ歩くこと10分(東屋から5分)。近づくと光の屈折でどんどん青くなり、目の前まで行くと真っ青です。階段を上った先の遊歩道に備えられた景観に配慮した木製の展望デッキから眺めてみると、どこか神聖な空気が流れているせいか、訪れる人たちもここだけは口数も少なくなり皆静かにじっと見ています。木々の緑に縁取られるようにして、白神山地十二湖の代名詞ともいえる「青池」は、面積が約975㎡、最大深度は9mほどの比較的小規模な湖で、青インクを流したような真っ青な湖水を湛えています。じっと見ていると吸い込まれそうなほど美しく神秘的。どこまでも澄んだコバルトブルーの水底には、真上から差し込む光線で、水面に映る木々の向こうになおも朽ち果てず沈む倒木の姿や魚までがはっきり見え、不思議な絵を見ているようです。透明度が高い理由はミネラルが豊富で、水温が低くプランクトンがいないためといわれています。昼頃は透明度の高い透き通ったコバルトブルー、午後には深みのあるマゼランブルーなど、陽光と見る角度によって千変万化する幻想の世界が広がります。

青池から整備された急勾配の階段を上がり、樹木のガイド板が見えたら200mほどブナの自然林の中を歩きます。背の高いブナに囲まれグリーンシャワーに包まれながら歩けば、白神山地のブナ林を体験できる貴重なスポットです。

ブナの自然林を過ぎ、標識に従って森の中を進んでいくと、やがて見えてくるのが「沸壷の池」です。この池は、青池に匹敵するほどの美しさと透明度を誇ります。池のほとりにある桂の大木の根元から湧き出した水が流れ込んでできた池。張り出すように設置された木製の展望デッキがあり、湖水は平成の名水百選に認定されています。

200mほど下ると「落口の池」。沸壷の池からの流水の落ち口に当たることからこの名があります。鶏頭場の池からの流入もあり、形はほぼ三角形をしています。湖畔のベンチからは爽やかな風を受けながら、水深20m、広葉樹に囲まれひっそりとした風情が楽しめます。

池の向かい畔にある茶室「十二湖庵」では、傍らを沸壷の池から落口の池まで滝のように流れ落ちる平成の名水百選に選ばれた沸壷の池の湧き水で点てたお抹茶とお茶菓子をいただけます。

最後はスタート地点まで400m、坂を上っていきます。帰りは約1km先、越口の池の湖畔に佇む「十二湖ビジターセンター」によってみるものいいです。十二湖の自然について紹介しています。アメリカのグランドキャニオンを思わせる景観から、探検家の岸衛氏によって「日本キャニオン」と命名されています。また隣接して幻の魚「イトウ」の養魚場が設置されています。

国道101号に戻り海景色を望む温泉で疲れた体を癒すべく津軽西海岸をJRウェスパ椿山駅方面に戻ります。

夏に行きたい海辺の絶景露天風呂!黄金崎不老ふ死温泉」はこちらhttps://wakuwakutrip.com/archives/7763

 

 

 

 

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