白馬三山を映し込む神秘の八方池へ、八方尾根自然研究路を歩く

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国際的な山岳リゾートである白馬。その主役ともいえる存在が、北アルプス(飛騨山脈)の北に位置し、白馬連峰の唐松岳から四方八方に尾根が延びていることから名付けられた八方尾根です。ゴンドラリフト八方駅から「八方アルペンライン」を乗り継ぎ、標高2060mの八方池へ向かう「八方尾根自然研究路」は、山の雰囲気を存分に感じられ、ゴンドラやリフトを使って楽しむことができる白馬連峰中腹のトレッキングルートのなかでも定番の人気コースです。八方池では白馬三山が眼前と池面に映る白馬を代表する神秘的な光景を楽しむことができます。

紅葉シーズン突入、信州は紅葉の名所も多いのですが、今日は絶好の天気に恵まれ白馬に向かうことにしたのです。標高3000m級の山々が大パノラマで連なる北アルプス。唐松岳から東へ幾筋にも尾根が延びる八方尾根は、長野冬季オリンピックでは滑降競技の舞台にもなりました。また、特殊な地質が育む貴重な高山植物が多く、歩きながら花が楽しめるように八方尾根自然研究路が整備されています。

まずは八方尾根ゴンドラリフト「アダム」に乗りこむべく標高770m八方駅に向かいます。ゴンドラの始発は8時でゴンドラリフト券の営業開始時間は7:30ということですが、6:30分にはもう発券窓口には人が並んでいました。駐車場が少なく、シーズン時期には発券場のアダムプラザ前はすぐに長蛇の列になるので前売券の購入をおすすめします。また八方の湯の駐車場は広くゴンドラまで20分歩きますが駐車できます。

アダムプラザで「八方アルペンライン乗車券」2900円を購入します。八方アルペンラインは「八方尾根ゴンドラリフト(アダム)」「アルペンクワッドリフト」「グラートクワッドリフト」の総称で、山麓~終点まで、標高差1060Mを約30分で結んでいます。このゴンドラとリフトの空中散歩も楽しみの一つです。

ゴンドラ八方駅と兎平駅を約8分で結ぶ6人乗りのゴンドラからは眼下に雲海が広がり、その下には白馬村の景色が広がります。

ゴンドラリフトの終点は標高1400m「うさぎ平テラス」で、ここに天空に浮かぶオープンテラスがあります。早朝には目の前に雲海が広がり、その先に戸隠連峰や横手山、浅間山に八ヶ岳の山々を眺めることができます。

兎平からはアルペンクワッドリフトで7分、リフト乗車中から大パノラマの絶景を楽しめます。特に爽やかな風を感じながら、空に向かってグングン標高をあげていくリフトは爽快。迫力ある北アルプスの山々が視界に飛び込んできたときは、感嘆のため息がでます。

標高1680m黒菱平に到着。ここは長野オリンピックダウンヒル女子スタートハウスがあるところです。節約派ならば八方の麓から黒菱駐車場(200台)まで9km、約30分の黒菱林道を走ります。標高差760mのルートは絶景の連続ですが、道幅が狭く大型車の通行はできず、曲がりくねった道ですので運転には注意が必要です。黒菱平第3リフトを一本乗れば黒菱平に到着します。ここから八方池までは約7kmの「八方尾根自然探求路」です。

ここにも「雲海デッキ」なるものがあり、白馬岳、五竜岳等が眺められます。

ここから鎌池湿原を通りグラートクワッドリフト乗り場なで100m歩きますが、鎌池に白馬三山が映り込む姿を見ることができる撮影ポイントです。

標高1830mの「八方池山荘第一ケルン」までグラートクワッドリフトで僅か5分で到着します。八方アルペンラインの八方駅からゴンドラと2本のリフトを乗り着けば、ここまで僅か約40分です。売店とトイレがありトレッキングの基地でもあるスタート地点八方池山荘からは、八ヶ岳、浅間連峰、北信五岳が望めます。

八方池山荘から標高2060mの八方池までは約2.5Km、目安の所要時間は片道上りで約90分下りで約60分。随所に急坂がある歩き甲斐のあるコースが用意されています。八方池山荘と八方池の標高差は250mですが、亜高山帯と高山帯を跨ぐので、多様な高山植物などの季節の彩りと北アルプスに迫力ある景観が広がり、息を呑む絶景の連続です。「ケルン」とは、登山で霧が出た時に道に迷わないように石を積んで作った道標のことをいいます。

「八方尾根自然研究路」は整備された木道と石畳が続く快適なトレッキングコースとなっています。遊歩道の出発地点となる第1ケルンから第2ケルン(息ケルン)標高2005mまでは、やや急な傾斜で石が多く石畳の急登が続く「登山道コース」と迂回する「木道コース」に分かれ、違う景色が楽しめるので行きを岩場」の登山コースで帰りを木道コースにするのがおすすめです。もちろん往復歩きやすくしっかり整備されている木道コースでもいいですよ。

いずれのルートも同じぐらいの距離で第2ケルンで合流し、そこから先は山道となります。「石神井ケルン(八方山ケルン)」に寄りたく登山道コースを選択。登山道コースを登りきったところにあるのが「石神井ケルン(八方山ケルン)」です。ここで標高1974m、出発地点の八方池山荘から約140m登ってきたことになります。

石神井ケルンからふたつのコースが合流する第2ケルン(息ケルン)までは平坦な道になります。次第に近づく、唐松岳から延びる荒々しくも美しい稜線は実に壮観です。威圧感さえ感じさせるギザギザの岩峰は、不帰ノ嶮と呼ばれ、日本三大キレットの一つ。その圧倒的スケールに引き込まれてしまいそうです。この道沿いにはトイレがあるので心配な人は利用しておきます。

第2ケルン(息ケルン)」の標高は2005mで、ここからは白馬連山をくっきりと望むことができます。ここから「八方尾根自然探究路」の最高地点・標高2080mの第3ケルンまでは、上りと下りの連続になります。

特に途中にある八方ケルンの前後に少し急な箇所はありますが、比較的歩きやすい道です。雄大な白馬連峰と360度の大パノラマが励ましてくれているようで勇気づけられます。

標高2035mの八方ケルンを越えればもう少しです。八方池ではごほうびのような絶景がまっていますよ。

八方尾根を歩くと、やはり目を引くのは、雄大で風格のある白馬三山。白馬三山は、富山県と長野県にまたがる、3つの山白馬岳2932m杓子岳2812m、白馬鑓ケ岳2903mです。主峰白馬岳は日本百名山の一つで、そのほか、鹿島槍ヶ岳、五竜岳など日本百名山に名を連ねる名峰も尾根上から見ることができます。

約1時間半で到着するエメラルドグリーンの「白馬八方池」は、標高2060mの高地にあり、雪に押し流された土砂が堆積したところに雪解け水や雨水が溜まって生まれたという自然が造り出した神秘的な天然池です。白馬三山を鏡のように映し出す八方池は「アルプスを映す鏡」と例えられるように美しく、池の周囲にはベンチがあるので、迫りくる白馬連峰を眺めながらのんびりと休憩しましょう。ここで昼食をとるのもいいですよ。

今回の最高峰である標高2080m、写真の「第3ケルン」から先は登山装備が必要です。標高2430m「丸山ケルン」までは1時間、最終地点・標高2696mの「唐松岳」まで目指せば八方池から2時間半の行程ですが、さらなる眺望が楽しめます。

帰りは歩きやすい「木道コース」で下っていきます。途中には五竜岳や鹿島槍ヶ岳が見える絶景スポットもあり、ウッドテーブルやイスも設置されているので休憩にはもってこいです。傾斜がなだらかで歩きやすいのが魅力で秋にはナナカマドや草紅葉だ彩りを添え、季節ごとに大自然を感じさせる素晴らしい景観が広がります。

あとは行きと同様2本のリフトとゴンドラで一気に下山します。因みに日本経済新聞NIKKEIプラス1の専門家が選ぶ「何でもランキング」で2009年に「ロープウェーで登る親子向けの山」2014年には「大パノラマを堪能できるリフト」で「八方根自然探究路」はそれぞれ1位に輝いています。

帰りにはトレッキングの汗をながすべく温泉Timeです。白馬鑓ヶ岳中腹からの引湯を試みた明治からの念願だった「白馬八方温泉」が開湯したのは昭和61年(1986)のことでした。以来、白馬村内の宿泊施設100軒余に引湯し、長野県有数の規模の温泉地へと成長しました。今回はそんな白馬八方温泉の中でも白馬八方尾根の入口に新たな入浴施設「八方の湯」ができ、入浴料800円を払ってこの真新しい施設を体験します。

白馬八方温泉は白馬鑓ヶ岳直下の蛇紋岩地層と熱水が反応して湧出する、pH11を超える日本でも有数の強アルカリ温泉です。アルカリ泉質は肌触りが柔らかく、すべすべとした独特と湯触りが特徴ですが、それが古い角質を除去し、つるつるしたたまご肌に導いてくれる美肌の湯です。

また水素濃度が高いという特徴を持った極めて稀な温泉で、約40億年前の地球上に当たり前のように存在した泉質に似ているそうです。白馬八方尾根から白馬三山を一望できる掛け流しの露天風呂で、まだ人類が誕生する遥か昔の温泉をイメージしつつ肌で感じ、壮大な気分に浸るのも良いです。ゆったりとしたパブリックスペースも充実していています。

 

 

 

 

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