信州飯盛山の頂上には、360度のパノラマビューが待っている

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初心者から楽しめるトレッキングルートが整備された信州野辺山高原の標高1643mの飯盛山。飯盛山と書いて“めしもりやま”と読み、その名の通り、ご飯を盛ったようなこんもりとした曲線を描く山です。。誰でも気軽に登ることができ、たくさんの花や植物、そして山頂から広がる360度の大パノラマの眺望が楽しめる人気の山です。登山ルートは北側の平沢峠の獅子岩からと南側の平沢集落からの2通り。獅子岩の登山口には大きな駐車場があり、ここから入山する人が多く山頂までは約1時間ほどです。平沢集落の登山口のコースにも南口駐車場があり、良く整備された登山道でほぼ一直線に登って行きます。今回は信州ワンデーパス(2830円)を使い、JR小海線野辺山駅をSTARTし獅子岩を経由して飯盛山へ。帰路は南側の平沢集落を経てJR小海線清里駅をGOALとした約10km、約3時間の行程です。

JR小海線(八ヶ岳高原線)は、中央本線小淵沢駅と信越本線小諸駅を結ぶバイパス線として建設された全31駅・全長78.9kmの単線の路線。日本最高所(標高1374m)を走る高原列車で、小淵沢から八ヶ岳の東麓を千曲川に沿って北上し、城下町・小諸へと至る車窓からは、雄大な八ヶ岳、千曲川の渓谷、高原野菜の畑が望め、信州の山並みを縫うように走る抜ける路線です。小淵沢駅を出発した列車はうねりをあげながら山を登り、空に一番近い天上駅・野辺山駅の滑り込みます。標高1345mと、JR一、高い所に建つ駅舎です。因みに地上にある駅で一番低い場所に建つ駅は、愛知県にあるJR関西本線の弥富駅で、海抜マイナス0.93mの低地にあり、その差は1345m以上です。とんがり帽を被ったような駅舎は、高原の駅舎らしくどこか欧風の匂いも放っています。

駅前を左折し、JR小海線を跨ぎ直線道路を40分ほど歩きます。途中左手には、国立天文台野辺山宇宙電波観測所があります。2025年4月公開、劇場版第28作『名探偵コナン隻眼の残像(フラッシュバック)』のクライマックスの舞台となりました。野辺山高原の中で宇宙からの微弱な電波をとらえる大小のパラボラアンテナが並ぶ姿は壮観で、世界最大級&国内最大の直径45mの電波望遠鏡を見ることができますよ。野辺山は標高が高く水蒸気や人工の電波が少ないなどの観測条件がそろっていりとのことで、世界中の天文学者がこの観測所で得られたデータを用いて研究を行っています。

さらに少し歩くと行き止まりのように見えるところにぶつかります。ここまで約40分歩いてきたところが野辺山登山口です。すぐ先に鹿棚ゲートが見えますので平沢峠に向かって直進します。この手前には三軒家跡があります。佐久平と甲府盆地を結ぶ佐久甲州街道の峠が平沢峠で、江戸時代からの村名に由来します。平沢峠から野辺山原は江戸時代には荒涼たる原野で、冬は行き倒れ(凍死)となる旅人が多かったことから天保3年(1832)板橋地区から2軒、平沢地区から1軒が移住し、「お助け小屋(茶屋)」が築かれていました。

最初は車道沿いを歩くことになりますが、途中から山道になり、あること約15分で平沢峠にある「しし岩登山口」に到着です。車利用の場合はここに駐車して、トイレ、自動販売機も設置されていて登山の準備を整えるといいです。平沢峠(標高1450m)からは天気が良ければ真正面に八ヶ岳を端から端まで見渡せ、眼下には高原野菜畑が広がります。

しし岩は古くから岩石地帯の一部が獅子に見えることから「しし岩」の愛称で呼ばれています。飯盛山一帯は新生代第三紀(200万年以前)に行われた火山活動によってできた火山岩類などで構成されています。この火山岩類は長野-山梨の県境を形成しており、大門川の国境付近の国道沿いや「しし岩」などに一部露出が見られます。

平沢峠は分水嶺にあたる場所で、ここに降った雨水は平沢峠を境に日本海側と太平洋側にそれぞれ流れていくとのこと。また明治8年(1875)この平沢を訪れた日本の近代地質学の基礎を築いたドイツ人の地質学者エドムント・ナウマン博士(ナウマン象発見のナウマン)が、ここから赤石山脈(南アルプス)を眺めた景色をきっかけにフォッサマグナを考え、明治18年(1885)論文『日本列島の構造と起源について』において「グローセル・グラーベン(大きな溝)」として説明し、1886年に名称を“フォッサマグナ”としました。

しし岩登山口から飯盛山に向かって登山開始です。

歩き始めは火山灰土のやや急な斜面で滑りやすいので注意しながら進みます。後ろを振り返ると野辺山の高原野菜畑が望めます。

15分後宮司の滝との分岐。清里側の大門川から飯盛山を目指すハイキングコースとの合流地点になります。

分岐を飯盛山へ向かうとガレ場のしし岩コースの一番の急登。

急登を登りきると木材が敷かれた笹道に。前日の雨なのかぬかるみ木道が助かります。眼下に国立天文台野辺山宇宙電波観測所のアンテナが見えます。

宮司の滝分岐から25分ほどで平沢山分岐。

その先に小さな展望台があり、東に目指す丸い頂き飯盛山が、南へ視線を移せば茅ヶ岳から明野市へと続く見事な稜線が見える。

分岐からは飯盛山の手前の広場に5分ほどで直接出られる平坦なルートもありますが、ここは平沢山・大盛山・飯盛山の三山制覇を目指して15分ばかり寄り道していきます。5分ほどで平沢山山頂(標高1653)に到着です。山頂には金属製の枠組みのある山頂プレートと3等三角点(八岳屋)がありました。

平沢山に登ったことを後悔するような急なガレ場道を飯盛山を目指して15分下っていきます。

鞍部からは平坦道10分ほどで飯盛山と大盛山の分岐に到着し、飯盛山がすぐそこに見えていますが、三山制覇を目指して大盛山へ向かいます。

5分程で大盛山(標高1650m)山頂です。

山頂からは野辺山方向(北)に先ほど登った平沢山を望みます。

南方向にはこれから登る飯盛山の勇姿が望めます。雲がなければ飯盛山の左手に富士山が見えるのですが、残念です。

すべて登山道が集まる最後の登頂前の広場に出て飯盛山山頂を目指します。

山頂からは雲が上がれば目の前に八ヶ岳そして南アルプス、富士山、瑞牆山、金峰山までを一望でき、360度展望の開けた展望は、周囲の山岳パノラマと空の広さが清々しく、若干1時間程度の登山でとは思えないほど山の魅力が凝縮された景観です。山頂はそれほど広くありませんが、ここではゆっくり休憩したいものです。眼下に見える沢から坊主山へ登る細い道筋は、戦国時代に武田信玄が使った隠し軍用路だったとか。

山頂より歩いてきた登山道を望めば、手前に大盛山、奥に平沢山と大木がほとんどない飯盛山は視界が開けていて辺り一面を見渡せます。

下山コースは飯盛山を左手に見ながら下りはじめ、登山道が開けると八ヶ岳に向かってまっすぐ下っていきます。

15分ほど下ると鹿棚ゲートがあり、東屋のある小さな広場にでます。右手に進みますがすぐに道標に従って斜め左手に下って行きます。少し木に隠れて分かりにくいので注意が必要です。そのまままっすぐに進むと平沢峠への佐久甲州街道にでてしまいます。清里駅まで3.5km、飯盛山まで1kmの地点です。

ここからはまたひたすらまっすぐに木々に囲まれよく整備された登山道を軽快に下っていきます。途中右手には沢があり、流れる水音が心地よいです。

単調な下り坂を30分ほど歩くと平沢登山口です。こちらから登る場合、車は南登山口駐車場に停めます。清里駅まで約2kmです。

清里駅までは車道を上っていきます。途中大門川を渡るのですが、橋を渡ってすぐに左手に入ると川沿いに道があります。宮司の滝や平賀源心の胴塚が道沿いに点在します。右手に入ると千ヶ滝が見れます。

まだまだ坂を上り国道141号までくると残り5分ほどで清里駅です。列車の時間調整も兼ねてそば処さとを訪れます。木々に囲まれた木造の瀟洒な建物が「そば処さと」です。清里高原のさわやかな空気の中で、木の香り漂う落ち着いた雰囲気の空間で、お庭の木々の風景を楽しみながらお蕎麦がいただけます。

1997年以来、国産極上そば粉を石臼で挽き、清里の清水を使ってキリリと冷やした蕎麦は、細麺でありながらコシのあるキリッとした歯ごたえです。つけ汁が通常のつゆとくるみ胡麻つゆの2種でいただける店名のついた“さと味せいろ”を注文。特にくるみ胡麻つゆは、くるみのザクっと歯ざわりを胡麻つゆがさらりと包みこみ、そばと合わせると、くるみ胡麻の適度な甘さとあわさって喉越しよく味わえます。

GOALの清里駅に到着です。展示されているC56149は「高原のポニー」と親しまれ、昭和16年から31年間小海線を走行した機関車です。

 

 

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