修験道の聖地「犬鳴山」へ!渓谷美と神秘に触れるハイキング

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山中で修行を重ね、霊験の体験を目指す修験道。葛城山系は古くから修験者必修の行場として畏敬されてきたといいます。そんな和泉、大和の聖なる峰は、日本遺産「葛城修験~里人とともに守り伝える修験道はじまりの地~」として選定され、1300年の時を超え、現代人の心をも魅了します。

はるか昔から「葛城」と総称されてきた和歌山から大阪、奈良の境界に連なる和泉山脈と金剛山地は、修験道の開祖・役行者が初めて修行を積んだ地とされ、世界文化遺産の吉野・大峰と並ぶ修験道の行場です。役行者が開いたという道は、和歌山市加太の沖に浮かぶ友ヶ島を起点とし、総延長112kmにおよぶ和泉山脈、金剛山地の峰々をダイナミックに越えてゆきます。途中には役行者が法華経を埋納したと伝わる28の経塚(葛城28宿)のほか巨石や滝、寺社ばどが点在します。それらの行場を巡拝し、修行を積むのが葛城修験です。

休日を如何に過ごすか?自然を歩きたい、温泉にも浸かりたい、したい、したいと考えていると一枚のリーフ「犬鳴山 温泉&ハイキングきっぷ」が目に飛び込んできました。大阪の喧騒から、静寂の聖域「犬鳴山」(いぬなきさん)へ。そうだ関西のパワースポット、葛城修験のメッカ「犬鳴山」に行きます。

関西国際空港からほど近い名勝犬鳴山一帯は、温泉地としても有名ですが、手軽な渓谷ハイキングができる人気のエリア。犬鳴川渓谷沿いを歩けば、四季折々の渓谷美を堪能でき、いたるところに行場があることから、渓全体が神秘的な雰囲気に包まれています。「犬鳴山七宝瀧寺」や「犬鳴山温泉」など、見どころや立ち寄りスポットいっぱいの「犬鳴山」は電車やバスで、気軽に訪れます。

大阪と和歌山の県境付近に位置する犬鳴山とは、大阪府泉佐野市大木犬鳴の犬鳴川渓谷を中心として、そこえ流れこむ燈明ヶ岳(標高558m)等の山域全体の総称を指しており、「犬鳴山」という名称の山があるわけではないのです。名勝地や金剛生駒紀泉国定公園の指定を受けるなど豊かな自然を持つ。

早起きをしてまずは南海難波駅に行き「犬鳴山 温泉&ハイキングきっぷ」を購入します。「犬鳴山 温泉&ハイキングきっぷ」は、南海電車・難波~泉佐野間(片道580円)割引往復乗車券+南海ウイングバス泉佐野~犬鳴山バス(片道470円)割引往復乗車券に温泉入浴割引券(総括券)がついて1720円(2015年12月現在)なのです。なんと通常運賃の約19%OFF、そして入浴料が最大約33%OFFの特典付です。南海電車で25分、泉佐野駅から南海ウィングバスで30分で犬鳴山に到着です。

真言宗犬鳴派の本山「犬鳴山七宝瀧寺」がある犬鳴山は、1300余年前の661年、修験道の霊場として修験山伏道の開祖といわれる役の小角「役の行者(えんのぎょうじゃ)」によって大和大峰山山上ヶ岳より6年早く開山され、元山上と呼ばれている。古くは犬鳴山を含む金剛・和泉山系全体を「葛城」と呼んでいて、その中でも犬鳴山は西の行場、東の行場を持つ葛城二十八宿の根本道場としての位置付けを持っている日本の霊山のひとつです。現在でも「七宝瀧寺」内の「行者の滝」に打たれる修験者の姿を見ることができる。特に犬鳴山は女人大峰とも言われ、女性の行者も多く修行しているとのこと。最近では幸運を呼び寄せるパワースポットとして注目されています。

従来七宝瀧寺の門前町であったところが犬鳴温泉郷として今日に至っているで、犬鳴温泉街が参道への入口になっています。七宝滝寺参道としての犬鳴川を持ち、けして高い山域ではないにも関わらず、渓流沿いの山岳景観は「大阪府 緑の百選」にも選ばれていて、寺院までの参道には、道の真ん中に大阪府下で最も背が高いとされる高さ約38mの「のっぽ杉」が優しく出向かえてくれています。大阪の中心部である難波から程近い場所とはとても思えないほどの美しいロケーションが目の前に広がっています。関西国際空港が開港してからは、空港からもっとも近い温泉「犬鳴山温泉」がある場所として名前が広がったようです。

この先に「名勝 犬鳴山」の石碑があって、ここから渓谷歩きが始まります。

「犬鳴山」の読み方については、地元では通常「いぬなきさん」と呼んでいます。「犬鳴」が寺院の山号に由来しているためですが、そのため地元で「いぬなきさんに行く」と言えば、犬鳴川渓流沿いの参道を遡って七宝滝寺へ行くことを指していて、決して山歩きに行こうと言っているわけではないのです。これに対して、参道渓流入り口の温泉郷では「いぬなきやま」と読ませて「犬鳴山温泉」と称しています。犬鳴山という一風変わった名前は、七宝瀧寺の山号(いぬなきさん)に由来したものなのです。

因みに泉佐野市の公式キャラクターであり、犬鳴山のマスコットキャラクター「イヌナキン」は、漫画「キン肉マン」の作者ゆでたまごがデザインしたものです。犬鳴山義犬伝説の末裔であり温泉好き、口癖は一生犬鳴で犬鳴山で修行中とのこと。泉佐野市のイベント開催時には山から下りてくるらしいので会いにいってみてください。

大師堂の先からは霊域になり石畳の道が犬鳴川沿いに続きます。木々に覆われた犬鳴渓谷の山中には四十八もの大小さまざまな滝がいたるところに点在していて、その中でも特に両界の滝(金胎両部の瀧として二瀑があり、これを合わせて両界の瀧といい、一の瀧とも)、塔の滝、 弁天の滝、布引の滝、古津喜の滝、千手の滝、行者の滝の七瀑が有名で、伝説に彩られた名刹を始め雄大な山岳景観や四季折々の 美しい渓谷の自然に恵まれています。

淳和天皇(824~834)の時、天下に大早魃があり、そこで淳和天皇は諸国の霊山、神社仏閣に祈雨の祈願をさせました。当山でも住侶が本尊不動明王に祈雨の大法を修したところ、霊験空しからず、泉州一円は慈雨に恵まれることができました。そこで淳和天皇は、犬鳴山中にある著名な上記の七飛瀑を金銀などの七宝に因んで、「七宝瀧寺」と命名したのです。さらに、弘法大師空海は、この七飛瀑に七福神を祭祀され、このため山中の七瀧は七福神・不動の霊瀑といわれ、一度この山を参詣すれば、七福神・不動明王の霊気を受け、福徳増進するといわれています。

両界の滝を過ぎると、行者迎えの門「瑞龍門」の赤い門をくぐります。

神宝橋、神明橋の二つの赤い橋を渡り。

出世稲荷、塔の滝を過ぎると一乗山から犬鳴山となった由来が記されている「義犬の墓」に着きます。

宇多天皇の寛平2年(890年)3月、紀州の猟師が犬を連れて、当山の行場「蛇腹」附近で一匹の鹿を追っていたところ、猟師の傍の大樹に大蛇がいて、猟師を狙っていました。猟師はそれに気づかず弓をつがえ、鹿に狙いを定めて射ようとしたとき、猟師の愛犬が急にけたたましく吠えだしたのです。犬の鳴声におどろいた鹿は逃げてしまい、獲物を失った猟師は怒って、腰の山刀で吠え続ける愛犬の首に切りつけました。犬は切られながらも猟師を狙っていた大蛇めがけて 飛び上がり、大蛇の頭に噛みつき、猟師を助けて大蛇と共に倒れたのです。事の意外さを知った猟師は、自分の命を救って死んだ愛犬の死骸をねんごろに葬り、弓を折って卒塔婆とし、そして七宝瀧寺に入って僧となり、永く愛犬の菩提を弔いつつ、安らかに余生をすごしたと語り伝えられています。

この話を聞いた宇多天皇は「報恩の義犬よ」と賞し、「一乗鈴杵ヶ岳(一乗山、鈴杵ヶ岳とも)」を改め「犬鳴山」の勅号を与えたとのことです。

犬鳴山バス亭から1.5Kmほどで「七宝瀧寺」に到着します。まずは右手にある7mはあろうかという「身代わり不動明王」の大きさに圧倒されながら階段を上っていくと本堂(不動堂)があります。このお寺のご本尊は、役行者が彫られたという木造立像の倶利伽不動明王様で秘仏になっていて、中は撮影禁止です。

そのまま奥の階段を下りていき「行者の滝」に向かいます。赤い清滝堂で50円払って進むと、目の前には役の行者と行者の滝が現れます。役行者像の下は、「行者くぐり岩」といい、くぐれるようになっており、真言を唱えて3回くぐるといいことがあるとのことで、トライしてみます。

現在でも「行者の滝」に打たれる修験者の姿を見ることができますし、特に犬鳴山は女人大峰とも言われ、女性の行者も多く修行しているとのことです。

滝壷近くまで進むことができるので間近に滝水の中に浮かぶ鎖を確認できる。修行しなくてもマイナスイオンをいっぱい浴びることができ身体が清められた気がします。今日はまだ滝に打たれている人がいなくて残念でした。

ここまで来た後は、少し戻って「身代わり不動明王」の裏から険しい行者道を登るか、参道を左手にとって「犬鳴随道」を抜け五本松まで行って戻ってくるハイキングコースがあります。渓谷歩きそのものは危険個所はありませんが、身代わり不動明王像の立つ広場から燈明ヶ岳までは、渓谷部分とはまったく別で、山登りの心づもりが必要ですので注意してください。犬鳴隧道を抜け展望台のある五本松までは片道約2.5Kmの行程です。今回は「犬鳴随道」まで行って戻ってきたました。

実はこの「犬鳴随道」は知るひとぞ知る心霊スポットらしいのです。高槻市の天王山、難波のデパート・プランタンとあわせて大阪三大心霊スポットというらしい。これに四条畷市のR病院跡、妙見山、犬飼邸、石切トンネルをあわせると7大心霊スポットとなり、因みにこれに神戸再度山のメリーさんの館、神戸・芦屋市のユネスコ会館、そして奈良県の信貴生駒スカイラインを加えたのが近畿の十大心霊スポットとのこと。怖い、怖いということでトンネル前で引き返しました。

疲れた体と心を癒すのはやはり温泉ですし、ここには「犬鳴山温泉」があるのです。大阪の奥座敷ともいえる大阪府内で唯一の温泉郷としても知られており、温泉宿はいずれも入浴のみの利用が可能です。南北朝の時代には、戦いに敗れて傷を負った楠正成率いる兵士が犬鳴山へと逃げてきて、湧き出る温泉でその傷を癒したといいます。その伝説をもとに、戦後に掘り当てられたのが「犬鳴山温泉」です。透明でとろりとしたお湯は「美人の湯」して名高く、しっとりとして美肌効果が実感できます。                                      

温泉入浴割引のある入浴可能施設の中で、和歌山へと抜ける道沿いに建つ大正13年創業の老舗旅館が「み奈美亭」です。泉質はナトリウムー炭酸水素塩泉で、大浴場と御影石張りの露天風呂からは犬鳴川の渓流を眺めることができ、ロケーションも抜群です。女湯は滝が流れるという趣向をこらした造りです。川のせせらぎを聞いて季節を身近に感じながら山中散策で歩き疲れた身体を、ゆったりと癒すことができます。

以前湯元温泉荘「山乃湯」に浸かりに行ったことがあるが、浴場の規模は小さく古い温泉であったが湯はほのかに硫黄臭がただよい、ぬめりも強い白濁泉であった。

帰りのバスは12:24発。バス中は熟睡でした。

 

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