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織田信長、豊臣秀吉、石田三成など戦国時代の主役たちの足跡が色濃く残る琵琶湖周辺。まさに歴史の宝庫ともいえる琵琶湖は、また日本屈指の桜の名所が数多く点在しています。名城や古刹に華やぎを添える桜模様や湖面に映る淡い桜の帯は、この地ならではの桜の魅力です。日本一の湖に咲き競う表情豊かな桜を追って多彩な魅力に満ちた春爛漫の近江路を巡ります。

湖面の色が青味と透明度を増し、暖かな陽気に包まれる4月上旬~中旬、桜前線がゆっくりと北上し、いよいよ奥琵琶湖にも本格的な春が訪れます。碧く澄んだ静かな琵琶湖に、ごつごつと突き出した岩礁が印象的な琵琶湖北端の海津大崎は、琵琶湖八景の「暁霧・海津大崎の岩礁」として名高い景勝地です。春には、樹齢80年を超える老木から若木まで約800本の華麗なソメイヨシノが咲き誇り、より一層美しく彩られた世界が感動を与えてくれます。そんな海津大崎の桜並木を琵琶湖の湖上から堪能すべく、湖岸には珍しい岩礁が点在し、奥琵琶湖の景勝地として知られる海津大崎の桜と船の旅を楽しみにお花見クルーズに出かけます。

この時期琵琶湖岸の約4kmの桜並木が見える海津大崎を湖上から優雅に鑑賞できる船が運航しています。今回は長浜港から9:20に出港する琵琶湖汽船「海津大崎桜クルーズ」を予約しておいたのです。乗船料大人一人3600円、片道50分の船旅です。

長浜港のある長浜市は滋賀県の北東部に位置し、かつては近畿と東海、北麓を結ぶ交通の要衡として栄えてきました。緑萌ゆる伊吹山系の山々と琵琶湖に囲まれ、姉川や高時川、余呉川などによって形成された豊かな湖北平野と湖岸風景が広がる、滋賀県でも有数の美しい自然景観を誇る町です。また戦国武将が活躍し、歴史遺産が数多く残る長浜。JR長浜駅から徒歩圏内に史跡が点在し、気軽に街歩きが楽しめるのが魅力です。

まずは市街地のシンボルともいえる長浜城を囲む“日本のさくら名所100選”にも選ばれている豊公園の桜を見に行きます。琵琶湖湖畔にそびえる「長浜城」は北近江を治めていた浅井長政の居城・小谷城を落とした功により天正元年(1573)一国一城の主となった木下藤吉郎(豊臣秀吉)が築いた城です。小谷城は不便であるとして、当時、今浜と言っていた地に城を築き、町の名も信長の長をつけて「長浜」と改めました。さらにこの時から羽柴秀吉と名乗っています。長浜城は江戸時代になって壊されましたが、昭和58年(1983)に再建され内部は長浜城歴史博物館になっています。

湖畔には秀吉が築城時に掘らせたと伝わる数少ない長浜城遺構のひとつ「太閤井戸」があります。昭和14年(1939)に琵琶湖が渇水した際に発見された井戸です。琵琶湖の水位が高い時期は碑だけが湖面に浮かんでいます。

城の周辺は秀吉にちなんで豊公園と名付けられた城跡は桜の名所で「日本さくら名所100選」に選ばれており、ソメイヨシノを中心に約800本の桜の木が4月上旬から開花します。

城下町として開かれた長浜は、廃城後も北国街道の宿場町、大通寺の門前町として、その後は日本で5番目に施設された官営鉄道と日本初の鉄道連絡船を利用した商業都市として、その機能は変化しながら発展してきました。明治時代の近代化遺産が残る長浜。長浜鉄道スクエアには、明治15年(1882)に完成した、現存する日本最古の駅舎「旧長浜駅舎」があり、鉄道遺産に認定されいます。

向かいには日本庭園が美しい「慶雲館」があります。明治20年(1887)、明治天皇行幸に合わせて造られた迎賓館で、当時の内閣総理大臣伊藤博文が命名したと伝わります。総檜造り寄棟造りの建物に広がる美しい庭園は、明治天皇行幸啓25周年を記念して明治45年(1912)に7代目小川治兵衛(植治)の作庭によるもので国の名勝に指定されています。写真の前庭は、表門から中門にいたるまでの平庭で、高さ5mの巨石を用いた大灯籠や横綱像などを配置しています。

B級グルメならテレビなどで話題をよび、今やかなりの認知度を誇る昭和26年(1951)創業のつるやパンの「サラダパン」。滋賀県の湖北・木之本にある小さな商店で約50年前に誕生したローカルフーズです。ふわふわのコッペパンの中に、マヨネーズで和えたたくあんがぎっしり詰まっていて、コールスローサラダのような、一度食べるとクセになる味が特徴です。日持ちをさせようと水分の少ない野菜を探したところ、田舎の家庭ならどこにでもあったたくあんを抜擢したのが始まりだそうです。その2号店がまるい食パン専門店として長浜駅近くにできたのです。大きなまるい食パン型の看板が目印です。

「まるい食パン」はサラダパンと並びつるやパンの看板商品として創業当初から作られているパンで、フワフワな食感が美味しく、ユニークな具材をはさんだアレンジパンも販売されています。

お店の前には可愛らしいピンクの信楽焼の狸の置物といっしょにゆるキャラとしても人気の滋賀の隠れた人気者「飛び出し坊や」が。とび太くんとも呼ばれる交通事故防止の看板で、1970年代に子供の交通事故が多発したため設置を開始。いつの間にか増え続けて滋賀中の至る所で目にするようになり、全国でトップクラスの設置率になりました。愛嬌のある男の子のキャラクターは画家・久田泰平さんが手掛け、本名は“飛出とび太”。年齢は永遠の小学8年生です。

出航時間が近づき長浜港へ向かいます。桟橋にはすでに就航船の高速船リオグランデが待機しています。“純愛小説のバイブル”として多くのファンを持つ直木賞作家・村上由佳さん原作「天使の卵 エンジェルス・エッグ」が映画化され2006年公開されました。長浜市内のロケで豊公園に作られた歩太(市原隼人)が働く工事現場で夏姫(沢尻エリカ)と再会した会話シーンが撮影されました。

乗船時間は片道50分、1Fキャビンや2Fキャビンの座席に座るかデッキに乗り込みます。竹生島を過ぎ、海津大崎に近づくにつれ、デッキに人が溢れてきます。

この桜並木は昭和の初め、当時37歳、道路補修の作業員をしていた宗戸清七という村人が、毎日リヤカーを引いて作業をするかたわら、自費で桜の苗を買い、一本ずつ植えていったのが始まりです。3年後、若木が花をつけると村の青年たちが手伝うようになりました。昭和11年に大崎トンネルが開通すると、村は清七の仕事を引き継ぐように植樹し、現在の並木が完成しました。

琵琶湖に張り出した岬の岸沿いをカーブを描くようにして半周する約4kmの湖畔道路に植樹された桜並木が、花のトンネルをつくりだす海津大崎。湖面に届きそうな勢いで力いっぱいに咲く姿は、湖にきらめく陽光と溶け合って、ダイナミックな景観をつくりだしていて、その美しさは“日本のさくら名所100選”にも選ばれているほどです。その美しさに画家が思わず筆を止めてしまったという逸話が残っているのも頷けます。

海津大崎で下船し、桜並木の散策を約30分間楽しめます。

桜並木の下には遊歩道が整備されているので、のんびり花見散策を楽しむことができます。満々と水をたたえる湖と桜のトンネルが独特の景色を描いています。

復路も50分の船旅、桜に酔いしれて戻ります。昼からは和船の船旅を楽しみます。

桜と菜の花の競演!葦の原を行く舟遊び・近江八幡水郷めぐり」はこちらhttps://wakuwakutrip.com/archives/11127

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