新潟・西山三山「護摩堂山」のあじさい園目指す低山ハイキング

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新潟県五泉市と南蒲原郡田上町にまたがる護摩堂山は標高274m、山頂まで40分程度で登れる登山の初心者向け低山です。菩提寺山、高立山と合わせて西山三山といいます。かつて三井と呼ばれていた時代があり、この山を中心とした山麓地域には、七十二坊にも及ぶ数多くの真言宗の寺院が建ち、山岳信仰の要所、修験の山として発展しました。ここで修行した修験者(山伏)達(一説には弘法大師)が護摩を焚いたことから三井山は護摩堂山といわれたとのこと。その後武士が支配する時代においてかつて護摩堂城があり、16世紀後半には上杉謙信の家臣、甘糟景継が居城したことから、あちこちに堀や土塁・砦の跡が残っています。この時期は山頂付近の約3万株のアジサが見ごろになり、登山者の目を楽しませてくれます。

護摩堂山登山口駐車場が満車で仕方なく日帰り温泉施設「ごまどう湯っ多里館」駐車場に停めます。駐車場入り口には団九郎がお迎えしてくれています。護摩堂山に伝説の残る高名な狸です。(団九郎伝説はむじなとされ狐説と狸説があり、こちらは狸説をとっています)町のお土産や夏祭りの冠にもなっているほど地域に親しまれている人気キャラクターです。

予想外の人出に驚きながら、脇のトンネルを抜けて登山口へ向かいます。対向車が走ってくるので気を付けながら歩きます。

登山口から山頂まで1800m、スタート直後は竹林があります。竹林の合間から見えるのが東龍寺。曹洞宗のお寺で護摩堂城を築いたと言われる「平賀宝山」の菩提寺です。古い参道入口に田上町の銘木にに指定された二本の大杉があります。

途中小休止のできるベンチもありますが、ゆるやかな坂が続いていきます。

田上小学校学校林は明治39年、田上の豪農であった両田巻家(本田巻・原田巻)から町に対して山林貸与の申し出があり、田上小学校児童・関係者が杉苗を百本植林しました。当時明治時代後半から大正期にかけて国・県は積極的に「学校林」を持つことを指導していました。昭和28年(1953)、田上町立田上小学校創立80周年の記念の年に両田巻家より山林の寄付をいただき昭和29年には千本の杉苗の植林を行い、その後年次的に補植を実施し、現在に至っています。

東屋やトイレのある展望広場があるところから階段を600mほど下ると手取ヶ淵の滝に出会えます。ここから山頂まで600mです。

さらに平坦な道を進んでいくと東側・西側両遊歩道の分岐点につきます。今回はあじさい園西側遊歩道から頂上を目指します。

途中田上町名木「越ノ彼岸桜」を横を通ります。この地は古く江戸時代から昭和初期まで石工が入って護摩堂石を切り出していました。この石は火に強く多くはかまど、ろぶち石として用いられていました。この桜は当時石工たちの憩いの場に植樹された数多くの中の一本とのことです。

護摩堂城跡の石垣の階段状に咲くアジサイを見ながら山頂を目指します。

団九郎小屋あじさい茶屋を見下ろしながらあじさい園の小路を上っていきます。団九郎という名のむじなにまつわる話が「団九郎伝説」です。団九郎の奥さんが産気づき、若い男性に化けて川の下に住む産婆さんに無事子供を取り上げてもらったお礼に短刀をあげたとのこと。その短刀は今でも産婆さんの子孫の家に残っているいいます。

見上げれば山の斜面一面に色とりどりのあじさいが面前に迫ってきます。

本丸跡が山頂広場になっていて蒲原平野の広大な田園風景が一望できます。

ここには護摩堂城址碑も建っています。標高274mの護摩堂山にあった中世の山城で、裏側が断崖絶壁、いくつかの峰に囲まれ、三方の展望には絶好の場所でした。南北朝時代(14世紀)には要害として戦場となったと伝えられ、応永の大乱(1423)では、中条町に拠点をもつ武将中条房資が一族を護摩堂山に分勢し田上原で守護代の長尾邦景と戦っています。

山頂からは東側コースを下っていきます。途中石切場があったりしますがあじさいは咲いていません。護摩堂城は全山岩山の「護摩堂石」の産地で容易に石を利用できることから「城壁」や「虎口」「土塁」などに石積みを施したと思われます。江戸時代には風雨に弱いが耐火性に優れていることから囲炉裏に使われ、大正期には大河津分水工事に使われたとのことです。

そのまま分岐点に合流し、来た道を戻ります。

登山の後は定番の入浴Timeということで湯田上温泉「ホテル小柳」に向かいます。湯田上温泉は越後平野を見下ろす護摩堂山の山麓に湧き出る温泉です。かつて三井山と呼ばれていた時代、この山を中心とした山麓地域には、七十二坊にも及ぶ数多くの真言宗の寺院が建ち、山岳信仰の要所、修験の山として発展しました。この修験者達が修行の身を癒すために使ったのが湯田上温泉の始まりと言われます。

湯船に柵がないインフィニティスタイルのお風呂は最上階(6階)に位置し、越後平野を遠くに見渡すことができます。

ちなみに「温泉deランチ」という日帰りプランではホテル内の味彩厨房「ゆごや」でのランチ(11:00~14:00)利用すると入浴料800円※通常1300円で温泉が入浴ができます。写真は海鮮丼(1600円)です。

帰りに「道の駅 燕三条地場産センター」で妻はお買い物で、満足顔でした。

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