
三木鉄道はかつて兵庫県三木市と加古川市の約6.6kmを14分で結んでいたローカル線。平成20年(2008)に廃線になり、今は跡地の一部が遊歩道「別所ゆめ街道」として整備され、気軽に廃線散策が楽しめるスポットになっています。旧三木駅から旧下石野まで続く遊歩道は片道4.8km、往復しても約10kmと短いので、半日ハイクにおすすめです。道中には運行時の信号機や標識、看板などが点在、フィトジェニックなスポットもありますよ。
三木鉄道は、大正5年(1916)播州鉄道として開業し、大正13年(1923)播丹鉄道へ経営移譲します。昭和18年(1943)播丹鉄道が法律によって国有化され昭和23年(1948)国鉄に、そして昭和60年(1984)国鉄三木線を継承して営業を開始した広義の第三セクター鉄道です。三木市から神戸市内へ向かう旅客は神戸電鉄栗生線を利用し、三木市西側の加古川線に接続している三木線は旅客の主要な移動方向ではなく慢性的な赤字でした。経営改善を目指し約800m離れている三木鉄道の三木駅と神戸電鉄三木駅も接続を図るも資金難から頓挫し廃線となりました。神戸電鉄栗生線の三木駅構内にある三木市観光協会で取得した案内図をたよりに三木鉄道の旧三木駅(三木鉄道記念公園)に向かいます。
三木鉄道記念公園(旧三木鉄道三木駅跡地)内にある。三木鉄道ふれあい館は三木鉄道の旧三木駅舎を曳家・改築した交流施設です。三木鉄道運行時に使用されていた物品や写真の展示を行うなど、鉄道を生かした空間を設けています。かつては9つの駅があり、ミキ300形の車両が走っていました。
公園内に遺る車止めは、列車が万が一停止する場所を越えて走行した場合に、強制的に停止させるもので、廃線になるまでこの車止めが役に立つことはありませんでした。旧三木駅が、始発駅であり終着駅であったことを物語っています。
三木鉄道の歴史に触れた後、旧下石野駅を目指して出発です。レール跡も残り、運行当時の信号機がポツンと所在なげに立っています。
旧三木駅を出発し約500m、徒歩約8分で旧高木駅を過ぎ、国道175号の高架を潜ると、旧高木駅から約700m徒歩約10分と早くも旧別所駅に到着です。、駅舎は改築されて休憩所になっていますが、ホーム前のレールと枕木は当時のまま。錆びたレールの上を歩けば、気分はまるで映画『スタンド・バイ・ミー』の主人公です。
旧別所駅で少し休憩をとった後、当時の標識などを見つけて、廃線散策の楽しさを味わいながら先を進むと遊歩道の周囲にはのどかな田園風景のパノラマが広がります。その景色の真ん中を線路跡が一直線に延びる様も爽快で、かつて車窓から見られたであろう当時の風景が浮かびます。
旧別所駅から約1.1km徒歩約17分で旧西這田駅に着きます。近くには「3世代で楽しめる和洋食レストラン&カフェ」I Tea HOUSE(アイ ティ ハウス)があります。青果卸売市場の小西商店の野菜やみきヴェルデのハーブ、優芽いちご園のいちごなど地元三木産を使用した、幅広いメニューがあるので、モーニング、ランチ、休憩のカフェにと様々な時間帯でたのしめますよ。
西這田駅を出発し、旧石野駅まで1.7km徒歩約26分を歩きます。途中、当時の橋梁がそのまま残っています。
旧石野駅にもホームとレールが残り、今にも列車が入線してきそうです。
三木鉄道廃線跡に整備された旧三木駅から旧下石野まで続く遊歩道、片道4.8kmの別所ゆめ街道も残り0.8km徒歩約12分です。往時使用されていた踏切とまれの丸看板や黄色と黒の警戒色で塗られた踏切注意冊が往時の面影を今なお残しています。
旧下石野駅手前の“香の小径”には、鉄道運行当時の面影を残す枕木を活用した花壇があり、季節ごとの草花が楽しめます。写真の看板に使われている支柱は、明治33年(1900)アメリカのカーネギー社から購入されたレールです。三木鉄道は、以前播州鉄道として大正5年(1916)11月に開通されましたが、播州鉄道の開通当時は、日本に製鉄技術がなく、鉄道のレールは、イギリスやアメリカから輸入して施設してきました。
旧下石野駅には、隣接して駐車場もあり、こちらからスタートすることもできます。往復しても約10kmと短いので体力のある人や時間に余裕のある人は往復してもいいですし、本来の接続駅である加古川線厄神駅まで1.8km、合計約6.6kmを歩いてもいいです。今回は旧石野駅駅最寄り下石野バス停から厄神駅の戻りました。
とう
三木市には天正8年(1578)羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)による三木城攻め(三木合戦)の舞台・別所長治の三木城が神戸電鉄三木上の丸駅下車徒歩3分のところにあります。またその城下を姫路から三木を経由して湯の山(有馬温泉)に通じる旧街道・湯の山街道が通ります。三木合戦の最中にはこの街道を通って秀吉や弟の秀長、軍師竹中半兵衛が有馬の湯を楽しんだといいます。また江戸時代には参勤交代や西国からの湯治客が往来しました。今度は城下町・播州三木を散策したいものです。