
昭和の頃には長野の香港とも言われたほど県内屈指の温泉歓楽街として栄えてきた信州千曲市の戸倉上山田温泉は、善光寺詣りの精進落しの湯として、また県都長野の奥座敷として県内随一の湯量、泉質を誇る良質な温泉地です。時代は移り、喧騒は去りましたが、多くの人の愛された湯のよさは今も全く変わりません。この温泉の良さを一度体験すると、病みつきになること間違いなしです。開湯から100年超の信州では比較的新しい温泉地ですが、優良豊富で、肌あたりのよい美肌の湯が、旅館にも銭湯にもこんこんと溢れ出しています。気軽に温泉が堪能できる外湯が7カ所あり、各々に泉質などに特色があります。七福神外湯めぐりに参加して、日帰り温泉を堪能してもませんか。
七福神恵比須の湯にあたるのが、上山田温泉街の北の西端にある戸倉上山田温泉の日帰り温泉施設の中で唯一のバリアフリー設計のつるの湯です。昔ながらの共同浴場を2001年のリニューアルオープンの際にバリアフリー化し、浴室には手すりもあり、車椅子やお年寄りの方も安心して入浴できます。土蔵造り、ナマコ壁の外観が目印で、駐車場も広く30台が収容できます。入浴料400円
つるの湯の館内には、地元作家のデザインによる「小石(恋し)の湯と千曲川」をモチーフにしたステンドグラスのガラス窓が設置れています。昼は外から差し込む太陽と、夜は照明を通した美しさがあり、昼と夜で違った演出を楽しむことができます。
つるの湯は源泉かけ流しの天然温泉。泉質は「単純硫黄泉」「単純硫化水素泉」でほんのり硫黄臭が漂います。薄い緑色で美肌の効果があるといわれるpH7.5以上のアルカリ性の湯は、湯加減もちょうどよく、身体の芯から温めてくれます。
七福神大黒天の湯にあたるのが、上山田温泉街の北の東端にある「湯元 かめ乃湯」です。2024年7月、100周年の記念事業として長く20円銭湯として地元民に親しまれてきた公衆浴場「亀の湯」が日帰り温泉施設「かめ乃湯」として改築新装オープンしています。明治35年(1902)掘削の源泉が、「かめ乃湯」の元になっており、開湯以来流れ続ける良質な天然硫黄泉を利用し、大湯でもある「公衆浴場 かめ乃湯」は120年を越え愛され続けています。入浴料400円
上山田の温泉供給会社によって運営されている日帰り温泉施設なだけにもちろん源泉かけながしの100%天然温泉です。ジャットバスを備えた内湯と陶器風呂のある露天風呂があります。陶器風呂はたった一人のために溢れる名湯、贅沢感に満悦です。
七福神寿老人の湯にあたるのが、戸倉温泉郷の地元民も激押しする天然温泉の共同浴場が昭和33年(1958)創業の戸倉国民温泉です。人呼んで“町中の秘湯”と呼ばれるオールド銭湯のような佇まいながら、浴槽は言うまでもなく、シャワーやカランの湯もすべて100%源泉かけ流しの放流式温泉、“ほんものの温泉”です。毎分250ℓもの湯が沸き、新鮮な温泉をじゃんじゃんかけ流しています。むかしながらの番台は今も健在。340円の入浴料を払って脱衣場へ。
40度~42度とぬるめの設定なので長湯が叶い、じっくり温もれます。湯量だけでなく泉質もよく、pH値9.2の弱アルカリ泉で、肌はツルツルに、湯は驚くほどやわらかで、忘れがたき歯ざわりです。
七福神毘沙門天の湯にあたるのが、同じ戸倉温泉郷にある地元住民に人気の共同浴場・戸倉観世温泉です。昭和17年(1942)観世音菩薩の導きにより湧出した温泉です。泉質は単純硫黄泉で、3つの源泉を持ち、大きな浴槽のタイル風呂には2号線、檜風呂には3号線を入れています。この温泉はお笑い芸人・鬼越トマホークの坂井良多さんの実家で、曾祖父である坂井家三代目直次郎が温泉開発に生涯をかけ、千手観音を日参したことで発掘した温泉です。入浴料340円
天然そのままの湯は透き通るグリーンの湯で、時間の経過とともに深みを増す湯色は新鮮の証。pH は8.7とかなり高く、淡いタマゴ臭のあるアルカリ性単純硫黄泉です。
上山田温泉から2ヵ所、戸倉温泉から2ヵ所を案内しましたが、このほかにも、戸倉温泉郷にある七福神弁財天の湯にあたる万葉超音波温泉、七福神福禄寿の湯にあたる湯のさと ちくま白鳥園、そして上山田温泉郷のありながら2種類の湯が楽しめる七福神布袋尊の湯にあたる湯の華銭湯瑞祥があります。スランプラリーに参加しながら七福神外湯めぐりを楽しんで、お気に入りの外湯を探してみてください。
上山田温泉郷には2ヶ所の足湯もあり、気軽にそして無料で温泉を楽しむことができます。ひとつは、しなの鉄道戸倉駅からバスに乗れば、降りたバス停前にある木造りの「カラコロの足湯」です。水と緑と潤いのある公園内の無料で楽しめる源泉かけ流しの足湯。
もう一つは、同じく中央通り沿いのファミリーマートの駐車場内にある「陽だまりの足湯」です。こちらも源泉かけ流しです。
