上越妙高エリア・苗名滝と笹ヶ峰高原で森と水辺のトレッキング

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新潟県妙高市は日本百名山に数えられる妙高山の裾野に位置し、日本の滝百選の苗名滝や惣滝、遊歩百選の斑尾高原、平成の名水百選宇棚の清水など、豊かな自然に恵まれます。2015年3月に誕生した上越「妙高戸隠連山国立公園」の上越・妙高高原エリアは、そびえたつ名峰「越後富士」とも呼ばれる妙高山をはじめとした山々が密集し、高原や湖沼とともにダイナミックな美しい景観をつくり出しています。日本の滝百選「苗名滝」と妙高山の裾野に広がる標高1300mに位置する「笹ヶ峰高原」は妙高観光のメッカ。林野庁「森林セラピー基地」にも認定され、森林の息吹と大瀑布のマイナスイオンを体いっぱいに浴びるトレッキングが楽しめます。知れば知るほど魅力たっぷりの妙高高原で自然に癒されようとでかけます。

轟音とともにしぶきが舞う「苗名滝」は、日本の滝百選に選ばれた妙高を代表する名瀑です。2016年4月に苗名滝へ通じる新たな道「市道苗名滝川街道線」が開通し、大型観光バスも通行できるようになりました。これにより地震滝橋から長野と新潟の県境を流れる関川沿いの全長約1.5kmが2車線道路になり、妙高高原ICから山道を登ること15分ほどででたどり着きます。これまでは滝へ行く遊歩道入口に10数台おける駐車場だけでしたが、終点には普通車100台、大型車10台程度収容できる大駐車場が完備され歩道も整備されています。

遊歩道入口から最初のつり橋で関川を渡り長野県に入ります。

吊り橋上からは砂防堰堤を流れる関川の水しぶきが気持ちいいです。砂防堰堤を横に見ながら階段を上っていきます。遊歩道入口から苗名滝まで片道約15分の距離です。

小林一茶が苗名滝で「瀧けぶり 側で見てさへ 花の雲」と詠んだ俳句が刻まれた石を過ぎれば、もうひとつ先の吊り橋の先に、ゴウ、ゴウと水が落ちる音とともに「苗名滝」が姿を現します。

「苗名滝」は、関川にかかる落差55mの滝です。年間を通じて水量が多く、柱状節理がよく発達し、玄武岩の断崖から轟音と水しぶきをあげて落ち込む様は迫力満点で、体全体で感じられます。苗名滝は地震滝とも呼ばれていて、滝から落ちる水音が四方に渡って地響きのように聞こえるのが名前の由来とか。その後、「なゑ」が古語で地震を意味していることや、周辺の高田平野が稲作の盛んな地であったため、現在の苗名滝という名前に変わったともいいます。

新潟県と長野県の県境となる関川にかかっている滝のため、二つの県で別々に滝を見てみると、目に映る景色が違うという面白味があります。滝の近くにある吊り橋を渡り、滝の下から眺められる新潟県側(滝に向かって右手)からは、水しぶきをあげて落ち込む迫力のある様子を間近で楽しめます。大きな岩伝いに川の中央まで行くことができますが、足元には十分注意が必要ですよ。

一方で吊り橋を渡らずそのまま滝の上流に向かって滝を右手に見ながら山道を登っていくと、上から眺められる苗名滝に出会えます。こちらの長野県側からは、水深が深くなっている滝壺を見下ろせることがで、滝壺の落ちていく水量に驚かされます。

苗名滝は森林の中を歩いて癒しの効果を体験でき「森林セラピーロード」に指定された妙高高原自然歩道の出発点でもあります。白い濁り湯が特徴の燕温泉までの約16kmの道中では、妙高山麓の自然や文化を楽しめます。

日本百名山に数えられる妙高山の裾野に位置する妙高市には、森林セラピーロードが6か所認定されています。妙高高原笹ヶ峰高原、斑尾高原、新井地区(斐太・平丸)と市内広域に分散し、それぞれに特徴があります。なかでも妙高山の南西、三田原山や焼山、火打山などの山々に囲まれた標高1300mに位置する笹ヶ峰高原の「笹ヶ峰一周歩道」は、牧場、清水、池、樹林帯など見どころ満載で妙高の自然の魅力を満喫できるゴールデンコースです。

出発地点である笹ヶ峰グリーンハウス近くの駐車場に車を止めて出発します。JR妙高高原駅からは季節運行ですが直行バスも出ています。コースは約5kmの距離ですが高低差もなく、ブナやシラカバさらに高いところではダケカンバの樹林帯の中に整備された遊歩道を歩きます。

笹ヶ峰高原には日本百名山「火打山」をバックに、笹ヶ峰牧場を中心として広大な草原、巨大なハルニレの木が点在し、ヨーロッパ的な雰囲気を思わせる景観が広がります。牧場一帯には季節ごとに花々が咲き彩を添えてくれ、その中でゆっくり草を食む牛に思わず「オハヨー」と声をかけたくなります。この時期はキンポウゲの黄色い可憐な花が咲き誇っています。

ブナやトチの大木に出会いながら自然林の遊歩道を火打山登山口に向かいます。

途中、高原の名水として知られ、平成の名水百選にも認定された「宇棚の清水」に出会えます。ここでは一日あたり4000トンもの水が湧き、周辺から湧き出た水が瞬く間に集まり小川となっていく様子を見ることがでます。宇棚というのは、傾斜の急なところから緩やかになる場所のことで、四季を通じて水量豊富な水辺には、桟橋や水汲み場も設置されています。飲用することができ、少し硬めの冷たい水が喉を潤してくれます。きれいな水場にしか生育しない野生のクレソンの姿も見ることもできますよ。

火打山」は標高2462mの日本百名山のひとつでこの火打山登山口からたくさんの登山者が入山していきます。

火打山登山口近くにあるのが「笹ヶ峰キャンプ場」です。広さは国内最大級のキャンプ場でサイト内には子供も安心して遊べるトクサ川が流れ、水遊びや生き物観察ができます。木々の木陰には木製のテーブル席が設置されているので、トレッキングの合間の昼食や休憩には最適の場所です。昼食をここでとり次に乙見湖を目指します。

笹ヶ峰ダム」は、高さ48.6m、長さ318mのロックヒル式ダムで関川の上流、真川とニグロ川の合流点を堰き止めて造られました。農業用水を目的に作られた東北電力管轄のダムで、そのダム湖の名前が乙見湖です。湖の向こうに焼山や火打山などの山々が見渡せ、湖からのそよ風が気持ちいいです。管理事務所ではダムカードも配布されています。(※現在、カード配布は中止)堤頂は歩道になっていて、別の森林セラピーロード「夢見平遊歩道」へと続いています。

乙見湖のほとりにあるのが「乙見湖休憩所」です。ログハウス風の無料休憩所になっていて公衆トイレも併設されているので遊歩道散策の休憩地となります。ここが夢見平遊歩道のスタート、ゴール地点にもなっていますので駐車場もありますよ。

次に目指す目的地は清水ヶ池です。白樺林の中を森林浴を満喫しながら進みます。

宇棚の清水の水が、小川となって流れ込んでいるのが「清水ヶ池」です。イワナやニジマスが生息するこの池は清々しく、晴れた風のない日には湖面に三田原山を映しだす景観は絵画のようです。

ここからゴールの「笹ヶ峰グリーンハウス」までドイツトウヒ林の中を歩いていきます。日本最大のドイツトウヒ林は、平均樹高約20mのドイツトウヒ約1万本が54haにわたり生い茂り、まるでヨーロッパの森を歩いているかのような気分になれます。クリスマスツリーとして利用されることの多いドイツトウヒの木々が作る林の中は、森林セラピー効果満点です。

成長すると小枝が垂れ下がる独特の姿で、松ぼっくりを人参のように長くした球果が、遊歩道上にたくさん落ちています。長さ10cmくらいありクリスマスリースなどに使われるので目にしたことのある人もおられるのでは。

ゴールはスタートと同じ「笹ヶ峰グリーンハウス」です。1Fに公衆トイレ、2Fはレストランになっていて、トレッキングの拠点となる施設で、トレッキング後の食事や休憩に利用できます。

2階のレストランでいただける新潟県産牛のステーキはここの名物です。わらじのように大きいステーキセット200g4990円。熱々の鉄板に少し甘めの昔ながらのソースがかかったステーキは柔らかくジューシー。ソースの焦げた香りが食欲をそそります。

森の力で癒されたら、次は温泉の力で疲れた体を癒します。妙高高原郷の大きな特徴は、コンパクトなエリアに5つの泉質、3つの湯色が異なる7つの温泉が湧いています。題して「妙高七五三の湯」。今回は妙高山の東麓、標高1150mにある燕温泉を目指します。名が示す通り、かつては岩ツバメが群れ飛び交った小さな温泉街の入口の駐車場に車を停め、坂道を約5分上っていきます。弘法大師が発見したという開湯伝説が残る燕温泉は、昔から湯治場として親しまれてきました。温泉街が開かれたのは明治28年(1895)、その温泉街の急坂を上った一番奥、元スキー場のスロープの途中にあるのが、乳白色の湯があふれる野湯、燕温泉「黄金の湯」です。紅葉の季節に木々が黄金色に見えることから名付けらえました。

男女別の脱衣小屋と岩組みの露天風呂があり、解放感抜群です。泉質は含硫黄ーナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩・硫黄塩・塩化物泉で白い湯の花がたくさん舞っています。

乙見湖休憩所を拠点とする夢見平遊歩道を歩く「笹ヶ峰夢見平遊歩道にミズバショウと出合う早春のハイキング」はこちらhttps://wakuwakutrip.com/archives/16772

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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