信州飯山なべくら高原「母の森」を五感で森林セラピーウオーク

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長野県の最北に位置し、千曲川沿いに田園広がる長野県飯山市。古民家や棚田など日本の原風景が魅力ですが、観光のもう一つの目玉が森を健康増進に利用する「森林セラピー」などのグリーンツーリズムです。西側の新潟県との県境には総延長約80kmの信越トレイルが連なり、緑豊かな自然に包まれています。森には心身を癒やすパワーがあるといいます。実際に森を歩き、その効果を感じたいと出かけます。

JR東日本「大人の休日倶楽部」なべくら高原・森林ヨガ編のポスターにたとえば、『信州の森に癒される。日本初、「森林セラピー基地」のひとつとして認定を受けた長野県飯山市。「森林セラピー」とは、医学的に裏付けされた森林浴効果のことで、こちらでは森林ヨガやノルディックウォーキングなどが体験できます。一歩足を踏み入れれば、降り注ぐ光と音、木々の香り、清涼な空気。森のすべてが心と体を癒してくれます。この夏はあなたも深呼吸しながら森とひとつに。』とあり、CMでは“信州に広がるブナの森で、森林セラピーを体験しました。大きく息を吸い込んだら、森とひとつになれた気がしました。”と信州の森に癒されています。

飯山市のセラピーロードは全部で5つ。「母の森・神の森」と名付けられているように、森林セラピー基地は大きく2つに分かれます。「母の森」は、鍋倉山一帯のブナの天然林地帯と湿原や湖沼が点在する斑尾高原の2つのエリアがあり、それぞれに拠点を設け、2つのエリアを信越トレイルが結んでいます。信越トレイルとは斑尾山から新潟県境の関田山脈の尾根伝いへと続く全長80kmの日本を代表するロングトレイルで、一般的には4泊5日の行程を必要とします。

長野自動車道豊田飯山ICを下り国道117号で一路飯山に向かう。途中戸狩から県道95号(飯山高田線)に入り、途中大神楽展望台から鍋倉山麓のビューポイントを眺める。毛無山から遠く苗場山、鳥甲山、笠ヶ岳、右手近くには高社山が見れます。標高1288mの鍋倉山は、関田山脈のほぼ中央に位置していて、全国有数の豪雪地帯であり、「緑のダム」と呼ばれるブナ林が豊富な水を地下に蓄えて里に豊かな恵みをもたらす里山です。その鍋倉山ろくにある体験宿泊施設「なべくら高原森の家」が、森林セラピーの拠点施設で、すぐ隣の「ブナの里山こみち」と標高1100mの「茶屋池森林遊歩道」の2コースがあります。

さっそく森の家の駐車場のすぐ隣に整備されているセラピーロード「ブナの里山こみち」を歩くことにします。高低差もなく段差もない、遊歩道には間伐材を利用したウッドチップが敷き詰めてあり、車いすやベビーカーを押す人も利用できるユニバーサルデザインのコースになっています。

森林セラピーは、森林が持つ癒し効果を科学的に分析し、森林浴に取り入れたもの。コースには風がよく通り抜ける場所に木のベンチがあり、ひと休みしているとベンチの周りに光が射しこみます。見上げれば陽射しが葉の隙間からキラキラとこぼれ落ち、生きている力を感じます。

この日は気温35℃を超す真夏日でしたが、森に入れば涼しい風がほおに伝わります。杉林から様々な広葉樹が茂る場所があり、途中からは森の雰囲気が変わります。いつのまにか空高くブナの木が伸びる林に入っていました。見上げれば陽射しが葉の隙間からキラキラとこぼれ落ちています。

森林散策でまず大切なのは森になれること、森に対して五感を開くことです。森に慣れてくると森の中で自分が気に入った場所を見つけ、目を閉じ、耳を澄ましてじっとしてみると遠くで鳥の声が聞こえる。眼を開けると、木漏れ日と風に揺れる枝が見えます。静かで何もしなくても癒されたような気がして、日々の喧噪を忘れ森と自分だけの時間を静かに過ごせるようになります。30分位過ごしてみるといいですよ。一周約1.2Kmで、約1時間かけてのんびり自然と触れ合い楽しむ丁度良い場所です。

なべくら高原には他に標高約1100mのセラピーロード「茶屋池森林浴歩道」があります。新潟との県境にある関田峠の手前にある茶屋池を巡る全長1900mのコース。樹齢200年余りのブナの古木が穏やかな静けさを醸し、大小の池、渓流が点在する手つかずの自然が残るワイルドなフィールドとのこと。

県道95号上越飯山線(通称谷街道)で、上越高田に居城を持っていた上杉謙信にとって重要な峠のひとつであった関田峠に向かって車を走らせます。峠を越えれば映画「突入せよ!あさま山荘事件」のロケ地・光ヶ原高原ですが、その手前にスタート&ゴール地点の茶屋池ハウスがあります。関田峠が交通の要所だった当時、ここに茶屋があったと言われる茶屋池ハウス前に車を停めます。

茶屋池森林浴歩道は、茶屋池ハウスをはさんで8の字になる二つのコースに分かれています。一周0.8kmのブナ林コースは、美しいブナ林を鑑賞したい人におすすめの約30分のコースです。この森のブナには、冬季の5mにも及ぶ豪雪の重みに耐えるための自然の造形美「根元曲がり」が見られ、生命の力強さが感じられます。

コースの一番奥には、平らで広々とした場所に、樹高20mを超す樹齢200年ほどのブナの古木が林立し、穏やかな静けさを醸していて、これぞブナ林といえる風景です。

そのまま舗装道路を跨ぎ、1週1.3kmの池廻りコースは、池に映るブナが美しい約40分の周遊コースです。森の精が棲んでいそうな気配が漂い、湖面に木々の緑色がはっきりと映り込む茶屋池を見下ろしながらお散歩気分で歩けます。ブナ以外の植物も多く、6月から7月にはオオイワカガミのピンク色の花が咲き誇ります。

森林セラピーはストレス解消によいとされる森林浴の効果を科学的に解明した心と体の健康に生かす試みです。全国48カ所で体験でき、飯山市は2006年に林野庁などが推進する森林セラピー基地の第一期認定を受けた草分けです。一方「神の森」は、北竜湖周辺の「小菅修験の道」として、小菅神社に向かう杉並木の参道が日本古来の宗教的な雰囲気を醸し出しています。「北信濃三大修験場・飯山「小菅の里」は戸隠に負けない修験の道」はこちらhttps://wakuwakutrip.com/archives/131

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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