鬼岩温泉へも!修道院と禅寺、修養の地・岐阜「多治見」を巡る

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岐阜県南部、東濃地方の西側の位置する多治見市は、街の中心を土岐川が流れ、古来より良質な土に恵まれ、土岐市と並んで日本一の生産量を誇る陶磁器の産地です。明治初期から昭和初期にかけて、本町には陶磁器問屋が軒を連ね、今でもその頃に建てられた商家や蔵が多く残ります。また別の顔として祈りの文化遺産も残る町です。岐阜県内の3つの国宝のうち、2つが隣り合う名刹「虎渓山永保寺」。鎌倉末期から室町初期に活躍した夢窓国師が開いた多種多様な文化財が集まるこの寺は“禅の美術館”と呼ぶにふさわしい。目を奪われる建築、紅を纏う日本庭園、シェフ自慢の料理、そして一生ものの器と、焼き物によって育まれてきた陶都多治見に出かけてみませんか。

多治見観光で外してはならないのが虎渓山永保寺と「神言会多治見修道院」です。虎渓山とはその二つが位置する山の名でもあります。
大聖堂の裏手から虎渓公園に至る山道が延びていて、木々に囲まれた永保寺参道へと続きます。

神言会多治見修道院」は昭和5年(1930)にカトリック神言修道会のドイツ人宣教師モール神父によって神言修道会の中央修道院として設立された日本における男子三大修道院のひとつです。中世ヨーロッパを偲ばせる建物は地上3階、地下1階の木造建築で建坪1000坪の規模を誇る簡素なバジリカ建築。大聖堂のキリストの生涯を描いたフレスコ壁画に、色鮮やかなステンドグラス越しのやわらかな光が差し込んでおり、まるで中世のヨーロッパに迷い込んだようです。周囲のブドウ畑で栽培されたブドウは、昭和8年(1933)以来修道院の地下室で醸造され「修道院ワイン」として親しまれています。

禅宗の厳かな空気を感じ、自然との調和を重んじた夢窓国師の庭園芸術、永保寺に向かいます。虎渓山永保寺は、鎌倉時代末期の正和2年(1313)に夢窓国師を開祖、仏徳禅師を開山とする臨済宗南禅寺派の名刹です。駐車場から奥へ進むこと数分、辺りの風景とは一線を画す、大自然に育まれた庭園が目の前に突然現れます。夢想疎石が、時の武将・土岐氏の招きを受け、この地に庵を結んだことにより開かれ、山号は「虎渓山」。景色が中国江西省慮山にある虎渓に似ていることからそうよばれることとなった名勝庭園には二つの国宝が鎮座する。夢窓国師が正和3年(1314)に建立した古来より最も格式が高い型式である入母屋造の檜皮葺の二重屋根をもつ「観音堂」と伝統的な寺院の建築様式・禅宗様の最古と言われている「開山堂」です。臨済宗の禅僧でありながら庭園芸術にも才を発揮し、全国各地で禅宗寺院の建立、造園を多く手掛けたことで知られる夢窓国師でしたが、当時のままに現存するのはこの「観音堂」のみとなっています。

禅の思想を取り込んだ庭園は日本庭園史上にも大きな影響をあたえました。中央に臥龍池を置き、その周囲に園路を巡らせた「池泉回遊式庭園」の形式を取る同寺の庭は、その景観の美しさから国の名勝に指定されている。観音堂を中心に構成される庭園は、一目で全貌を捉えることができるほどのコンパクトサイズながら、観音堂、その前に臥竜池、反り橋の無際橋がかかり、観音堂の左側には梵音岩などが絶妙なバランスで配置され、どこから観てもその美しさを損なうことがない。夢窓国師の類まれなる造園力の結晶ともいえるこの庭園は、夢窓国師の代表作であるのはもちろん、中世禅宗寺院の庭園の代表作と言っても過言でなく禅宗の美術の宝庫としてその雄大で厳かな空気を感じます。夢窓国師がこの場所を選んだのは、自然が織りなす“計算できない”景観、ここにしかない景観に惹かれたからと言われています。

観音堂は鎌倉円覚寺の舎利殿に次いで、鎌倉末期の唐様建築の代表作であり、その歴史的勝が非常に高い。唐様建築の手法に南北朝時代から続いていた和風建築の手法をミックスした珍しい“折衷建築”が特徴。檜皮葺の伸び伸びした屋根や上屋と裳階の巧みな均整は禅宗特有の建築スタイルです。開山堂は、夢窓国師が亡くなった翌年、仏徳禅師の没後20年となる正平7年(1352)に建立し、祀洞には右手に開創夢窓国師、左手に室町時代初期の開山仏徳禅師の座像が祀られています。祠堂と昭堂が“相の間”でつながっている独特の形式。神社建築では平安時代まで遡る型式で、仏教建築にはほとんど例がないそうです。この2つの国宝だけでなく、20種類以上の貴重な文化財が集う永保寺は、建築・庭園・墨蹟など“禅の美術”の歴史を示すこの上ない場所です。

さて丁度昼時となり本町オリベストリートに向います。岐阜県出身の戦国武将であり茶人・千利休の弟子の一人でもあった古田織部。その精神オリベイズムを活かした街づくりをしょうと、多治見市ではやきもの文化の色濃い市内三ヵ所を、「本町オリベストリート」、「市之倉オリベストリート」、「たかた・おなだオリベストリート」と名付けています。中でも昭和初期まで陶磁器問屋が軒を連ね、美濃焼を全国に運ぶ馬車や大八車で賑わったという本町オリベストリート沿いには現在も商家や蔵が数多く残り、ギャラリーや食事処として利用されています。写真は築130年の由緒ある日本家屋を改築したそば処「井ざわ」。

本町オリベストリートにある大型ベーカリー「アルティジャーノ」。パリの有名店で修行を積んだ高岡氏が店長を務めるイタリア語で職人を意味するアルティジャーノは、石釜で焼いた美味しいパンを提供する店でカフェも併設しています。

サラダセットを注文する。フライドチキンのサラダにコーヒーとパン食べ放題がついて850円。そして日本の最高気温40.9℃を最初に観測した「日本一暑い町」多治見のマスコットキャラ「うながっぱ」の「うながっパン」がありました。

さて東濃地方に点在する温泉地のうち、多治見からの行程を考えると、土岐市の柿野温泉・山神温泉、瑞浪市の稲荷温泉・鬼岩温泉あたりになります。今回は鬼岩温泉を目指します。鬼岩温泉は飛騨木曽川国定公園の中にある「鬼岩公園」に湧く湯。開湯は古くその昔、黄甫元勲大禅師が全国御巡釈の際、傷ついた白鷺の湯浴みを見て発見されたと言い伝えられている放射能泉です。付近に日本最大のウラン鉱床があり、すぐれた放射能泉として有名で、硫黄化水素泉ウラン鉱泉で知られ、切り傷、高血圧症などに効能があるといわれています。

鬼岩温泉は中山道の御嵩宿から程近く、中央自動車道土岐ICより国道21号で北へ約8分。国道沿いにある「鬼岩温泉」といえば「了山」と名が挙がる名旅館の呂久沢の森散策路の遊歩道奥に設けられたカフェギャラリー呂久沢の森にカフェ「Ryo-an了庵」があります。森の入口にあるRyo-anの門をくぐって木の階段7を上がっていきます。

森に溶け込むように佇むオープンテラスで味わうコーヒーは、神戸萩原コーヒーの炭火焙煎コーヒー。注文を聞いてから一杯ずつ豆を挽いて淹れてくます。小川のせせらぎ音と森のさわやかな風の中で香り高いコーヒーを味わう幸せを満喫します。

さて寛いだ時間の後は近くの「鬼岩公園」散歩します。鬼が棲むと伝えられる自然美あふれる渓谷で、その中でも目を見張るのが数千万年という風雪に洗われて侵食された木曽駒ケ嶽山系の花崗岩の巨岩怪石が続く景勝地です。公園の入り口近くで夫婦滝を眺め、案内図のある場所へ。


上流の松野湖に続く渓谷コース・展望台コース・太郎岩コースがあり、ちょっとしたハイキングが楽しめます。今回は、まず福鬼橋から見かえり橋を渡って渓谷コースを辿ります。途中からは岩屋くぐりコースに分かれ、入り口から一方通行の約180mのコースの途中には狙岩、太郎岩、関の岩屋等があり、岩の間を上下しながらくぐっていきます。ちょっと小さい子や高齢者は無理なのではないかと思ってしまいます。

そして出口から少し進んだところにあるのが鬼の岩屋、鬼にまつわる関の太郎伝説の岩屋です。

旅人の心をいやし、温泉情緒あふれるホテルや旅館が建ち並ぶ鬼岩公園内の秘湯・鬼岩温泉には、了山以外にも素敵な旅館があり、今回は、鬼岩公園の入り口の正面、公園が見渡せる絶好の場所に位置する和味の宿「いわみ亭」を訪れ、疲れを癒します。

 

 

 

 

 

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