ジェントルマン気分で、優雅に森と湖から愉しむ奥日光の紅葉

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日光といえば、東照宮をはじめとする世界遺産。そしてその奥には、滝、湖、湿原といった変化に富んだ自然が眠っています。秋を迎え、多彩な日光の自然は赤や黄色の色彩をまとい、さらに多彩となり私達を楽しませてくれます。世界遺産日光の社寺とは一味違う森と湖のフィールドへ出かけます。

紅葉で有名な日光を訪れるため長野を出て国道120号で金精峠越えで一路日光を目指します。金精峠の標高は1840m、国道292号(群馬県長野原-新潟県上越市)、国道299号(群馬県上野村-長野県茅野市)に次いで国道としては日本3位の標高です。日光と言えば恐怖のいろは坂渋滞が代名詞になっていますので渋滞する前に目的地「明智平」へ車を走らせます。明智平ロープウェイ駐車場は営業時間と同様9時からということですが、トイレ休憩用の駐車場は終日解放とのこと、ここに車を停めれるかがこの後の行程を大きく左右します。

朝5:30に到着もすでにトイレ休憩用の駐車場は満車でしたが、ロープウェイ駐車場も終日解放されていたことから難なく駐車することができた。運行開始時間も10分ほど早くなり、それまでの時間、駐車場奥の展望台から御来光を楽しみことができます。

日の出とともに男体山も赤く染まるモルゲンロードが見れます。

明るくなり下を見るとコンクリートの遺構のようなものがあります。これが「日光鋼策鉄道(ケーブルカー)遺構」です。日光鋼策鉄道は馬返~明智平間(1.2Km)で昭和7年(1932)8月に営業を開始し、翌昭和8年(1933)11月に営業を開始した明智平ロープウェイとともに交通の利便性が向上しました。しかしながら昭和40年に第2いろは坂が開通し自動車が主流となるなか昭和45年(1970)3月、開通から38年の歴史に幕を下ろしたのです。

ここから定員16人の明智平ロープウェイに乗って3分で到着する標高1373mの明智平展望台を目指します。第2いろは坂をほぼ上りきったところにある標高1274mの明智平の名の由来は天海大僧正と言われており、自身の本当の名を日光で一番眺めのよいこの地に残したたと伝わっています。

日光を代表する人気の展望スポットで、明智平から西方を見渡せば、右手にそびえる男体山や中禅寺湖そして中禅寺湖から流れ落ちる華厳の滝と奥日光の観光スポットが一度に全部見られる大パノラマが一望でき、周囲の雄大な山並みと合わせて日光の持つ表情豊かな自然の絶景が広がります。

反対側の東方も素晴らしい景色で筑波山や関東平野が見渡せます。滞在時間は15分程、これから向かう奥日光に思いを馳せながら再びロープウェイに乗って下ります。

奥日光の紅葉の名所「中禅寺湖」の魅力を「半月山展望台」と「中禅寺湖クルーズ」で満喫すべく,第一いろは坂をくだり中禅寺湖畔に向かいます。半月山展望台へは日本の名道50選にも選ばれている全長8.5kmの県道250号「中禅寺湖スカイライン」を上っていきます。右は歌ヶ浜駐車場(遊覧船乗場)、左側が立木観音を通過したところからスカイラインは始まります。中禅寺湖南岸に連なる山並みにぽっこり盛り上がる半月山は、それ自体は地味な山ですが、山頂近くの展望台からの眺望は湖畔一と誉れ高い。途中の第一駐車場ではなく第二駐車場の半月山駐車場まで上ります。

終点の標高1753mにある半月山駐車場からは中禅寺湖や男体山は全く見えませんが、手前に大平山、奥にメタリックのように無機質な山肌を露に足尾銅山のあった足尾の山々のダイナミックな風景が眺められます。

この駐車場脇から登山道を登っていきます。20分ほどの軽登山ですが、短時間で標高を上がっていく為、かなりの急登になるので靴は運動靴以上は必要です。高度が上がってくると駐車場の車も小さく見えます。

展望台は5㎡ほどの狭いウッドテラスなのですがその眺望は、絶景の一言です。真正面に雄大な男体山、眼下に広がるブルーの中禅寺湖には、湖に蛇のように飛び出した形の紅葉に彩られたカラフルな八丁出島がアクセントになり、ほぼ完ぺきな構図を見渡すことができます。男体山の標は高2486m、中禅寺湖の水面は1269mの高さにあり、湖面に浮いているようようです。

パワースポットである日光ですがこの中禅寺湖の中にも必見のパワースポット「上野島」と八丁出島を真近に見るべく「歌ヶ浜駐車場」に戻ります。伝説では、赤城山と二荒山とで中禅寺湖の所有を戦い、その祝の宴を開いて天女が歌い踊ったところがここ歌が浜といい、現在は「中禅寺湖クルーズ」の発着場でもありここに車を停めます。

遊覧船に乗る前に少し湖岸を歩いて「英国大使館別荘記念公園」に向かいます。明治29年(1896)の幕末に来日したイギリス人外交官アーネスト・サトウによって故郷・英国の湖水地方のウィンダミア湖を彷彿させる中禅寺湖畔に建てられたこの別荘は、後にイギリス大使館別荘として平成20年(2008)まで利用されていました。鹿鳴館の建築家ジョサイア・コンドルのアイデアで三段石積みテラスの上に中禅寺湖を眺めやすいベランダコロニアル様式を採用したとされます。

山荘の2階には彼が愛した湖畔の景色を眺められるティールーム「南4番Classic」があります。中禅寺湖の水が華厳の滝へと流れる大尻を起点に、南と西へ外国人別荘一軒ごとに西2番、南7番といった具合に番号が振られていました。南3番はロシア公使館、南4番がイギリス大使館、現在もあるフランス大使館別荘はなぜかその中間に建ったので3番半なのです。

ここでは日光ステーションホテルクラッシクの総料理長が駐日英国大使館シェフに教わったレシピで焼くスコーンが味わえます。スコーンセット1500円は英国から取り寄せたクロテッドクリームとジャムをたっぷりのせて、本国で愛されるヨークシャーティーとともにいただけばまさしく英国伝統の味!。

無風快晴時には窓が開け放たれ、正面に中禅寺湖と日光白根山を望む風景を愛でながら味わえば、英国大使さながらの優雅な気分に浸れます。

開け放たれた1階からの湖の景色を、サトウは友人宛てに多くつづっています。

ボートハウスがあった辺りには、基礎部分と当時のウィンチのみが残っています。これから乗船しようとする遊覧船が静かに港に向かっています。

歌ヶ浜駐車場に戻り遊覧船に乗り込み「中禅寺湖クルーズ」に出発です。

今回は、歌ヶ浜立木観音から船の駅中禅寺⇒菖蒲ヶ浜と寄港しながら上野島、八丁出島、英国大使館別荘記念公園を湖上から眺めるDコースに乗船です。写真右端の浜辺が赤城山と二荒山との闘いの勝負がついた菖蒲ヶ浜です。

上野島」は中禅寺湖南岸の阿世潟近くの陸地から約100m近くの距離に、湖上に浮かぶ中禅寺湖唯一の島です。ここには日光開山の祖・勝道上人の首の骨が納められているといわれる「勝道上人首骨納塔」や慈眼大師(天海大僧正)の墓石などがあります。上陸禁止ですので船上からパワーをいただきます。

八丁出島の先端分を間近に見ます。

英国大使館別荘の三段石積みを湖上から眺めます。背後の森としっくり同化する、落ち着いた建物で湖を静かにみつめています。

下船後道路の反対側にある中禅寺に立ち寄ります。奈良時代(784年)に日光開山開山勝道上人の創建になるものです。男体山頂を極め、その宿願を達した上人が船禅頂を行っていた際に湖上に示現し給う千手観音を上人自らが立木に刻んだと伝わる中禅寺の本尊・十一面千手観音菩薩に御挨拶です。「立木観音」と称され信仰を集めてきました。

少し遅めの昼食を中禅寺湖畔のカフェテラス「コーヒーハウス ユーコン」でいただきます。中禅寺金谷ホテルの直営店でカナディアンテイストの木のぬくもりある素敵なお店です。今日は晴れて湖と緑の木々が美しいテラス席でいただきます。

注文したのは金谷ホテルの伝統を紡いで145年の百年ライスカレーです。金谷ホテルは1873年に「金谷カッテージ・イン」として開業した現存する日本最古のリゾートホテルです。百年ライスカレーのレシピは、15年前にホテルの蔵で発見された大正時代のものを、レシピにある分量を守りつつ現代の味覚に合わせて工夫されています。

ビーフ・チキン・鴨・野菜等から選べますが一番人気のビーフカレー1750円をいただきます。甘味が最初にあって若干の酸味を感じ、最後に辛味の残るレトロな味わいの中辛口カレーです。

ふわとろオムライスも食欲をそそる一皿です。

アーネスト・サトウになったような気分で奥日光の紅葉を優雅に愉しんだ一日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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