美濃焼伝統の焼き物の里「下石」「駄知」へ。“楽しい”を探しに

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焼き物の産地としてその名を全国に馳せる美濃。身近にありながら、美濃焼とは何かと問われると、なかなか答えられないことも。岐阜が誇る焼物“美濃焼”の世界を探求し、その魅力に触れてみたく美濃焼の里を探訪します。

ひと言美濃焼といっても、その種類や作風は多岐に渡り、伝統的工芸品に指定されているものは15種類もあるという珍しい産地。窯場も多治見市、土岐市、可児市、瑞浪市と広範囲で、陶器だけでなく磁器も生産されるなど、現在では焼き物生産量トップを誇ります。その歴史は古く、およそ1300年前の古墳時代までさかのぼります。良質な陶土に恵まれていたこと、他の産地と比べて京都や大坂、堺などの大都市に近くよく売れたこと、他地域(瀬戸)の陶工が美濃へ移り住んで技術者が増えたことなどから、美濃は焼き物の産地として大きな成長を遂げていくことになります。

代表的な美濃焼といえば「桃山陶器」と呼ばれる「黄瀬戸」「瀬戸黒」「志野」「織部」の四つで、それまでの手本とされていた中国や朝鮮半島にない、日本独自のやきものを生み出しました。およそ400年前に華開いた桃山文化では、茶の湯の流行とともに、抹茶茶碗や茶入、懐石料理を盛り付ける大胆な鉢など、自由で創造性に富んだ桃山陶器が作られるようになりました。桃山時代の美濃焼は、それまでの常識をくつがえす革新的なもので、釉薬をかけないものが主流だった頃、様々な釉薬を使って色彩の美しさを追求していきました。黄瀬戸の黄色は、明るい色から淡い色まで様々、瀬戸黒は鉄釉の深い闇を思わせるような上品な黒、志野は長石釉を施した柔らかな白、織部は一部に施した銅緑釉の鮮やかな緑を代表とする多彩な色で彩ります。加えて、あえてゆがみを加えるという大胆な表現が使われる造形の美しさも注目です。見る人の感性に訴えかけてくるような迫力があり、個性あるカラーと大胆なフォルムで、美濃焼は新しい焼き物の世界を切り開きました。そんな高級施釉陶器の生産を可能にしたのが連房式登窯です。

織部の里公園」は昭和42年国指定史跡の「元屋敷窯跡」を中心とした歴史公園になっています。「元屋敷窯跡」は。慶長10年(1605)頃に陶祖加藤景延が九州唐津で学び築窯したと伝わる美濃窯最古の連房式登窯で、当時の技術の高さ、素晴らしさを伝えています。公園内にはほかに3つの復元した大窯がナンジャモンジャ(ヒトツバタコ)をバックに当時の姿を現しています。

窯元めぐりの前にランチタイムです。ファーマーズキッチン」は地元土岐で愛され20年、地域密着型の欧風家庭料理のお店。気取らずおいしく食べられるパスタやピッツァが豊富に揃い、何にしようか迷ってしまいます。ランチタイムには、味はもちろん、ボリュームも満点な「コースランチ」がおすすめ。前菜、ピッツァに好きなパスタを選んで手作りデザートとコーヒーがついて1500円やイタリアンアンバーグコースでライスとコーヒー・デザートで1480円もあります。

デザートの手作りケーキは、単品でお持ち帰りしたくなる美味しさで、特にゆず入りチーズケーキはおすすめです。店内は広く、奥には緑の庭が見える席や川が見える席等もあり、ゆったりと寛げるお店です。

市内には今なお多くの窯が残り、窯場の象徴である煙突が立つ風景に、昔ながらの焼き物の町風情を感じます。美濃焼の歴史を学んだあとは窯元めぐりに出かけます。美濃焼の中でもかつて徳利生産日本一を誇っていた焼き物の里「下石町」。機械化の難しい鋳込成形(水と粘土を混ぜた液状のものを石膏の型に注いで成形する技法)を得意とする窯元が多く集まり、多い時には年間160万本ものとっくりを作る窯元があったとっくりの町。最盛期にはこの地区だけで250の窯元を数え、今なお100を越える窯が残っています。煙突の見える坂道、細い路地には窯元のギャラリー。そしていたるところに出現する町のキャラクター「とっくりとっくん」。のんびり散策を楽しみたい町です。

地名である「下石」は”おろし”と読み、山頂などの高所から吹き下ろしてくる風を「颪」といい、妻木郷の山から吹き下る風下にある低地、妻木の高い所より低い土地一帯として発展して独立した郷を颪郷としたと考えられている。

100軒ほどの窯元がひしめく下石町。散策のスタートは「下石窯元館」からです。陶磁器工業組合の敷地内にあり、三角屋根の連なる倉庫やユニークな陶壁が特徴です。

そこから北に進めば下石町裏山地区で車でのすれ違いが難しいというより、車一台も通れない程の細い道沿いに窯場の象徴である煙突を有した窯元が点在するノストルジックな街並みを歩きます。そんな路地の至るところにユーモラスな表情をした「とっくりのとっくん」が自由きままな生活を楽しんでおり観光客の心を和ませています。

40cm程のとっくりに手足がついたオリジナルキャラクター「とっくりとっくん」を作っているのは坂本龍馬の亀山社中ではなく下石裏山地区の19の窯元が集まった「徳造社中」のグループで作っています。電柱の陰に隠れていたり、川沿いで釣りをしていたり、宴会をしていたり、囲碁をしていたり、新聞を読んでいたり、囲碁をしたり、お茶を飲んだり、煙突によじ登ったり・・・といろんなことをしながら、街角にその数およそ100体が佇んでいます。そんな路地のあちこちにあるユーモラスな表情をしたとっくり生産日本一のキャラクター「とっくりとっくん」をお土産のとっくりとともに探しながらの散策は楽しいものですよ。

お腹が空いたので焼きたて五平餅が食べられる「又おいでや。」に向かう。陶器の工場をそのまま利用して誕生した五平餅専門店。こだわりの国産くるみと約10種類の木の実を合わせて作るベースのタレの他7種類の変わり種がそろっている。一般的な五平餅にネギ味噌五平餅、ピザ五平餅等どれも食べてみたい味である。イートインもできるのでゆっくり味わいたい。女性漫才師ハリセンボンも来たみたいだ。

下石裏山地区散策のゴールは日向山稲荷神社。置かれている狛犬も“とっくりとっくん”です。たくさんの楽しいとっくんに出会えました。

約1300年続く古い窯里・駄知町駄知 薫風の里は、山と渓流に囲まれたすり鉢状になった地に90余の窯元があり、高台からはカラフルなトタン屋根がひしめき合う様子が見られます。江戸時代後期に駄知出身の陶芸家・塚本亀吉が宮廷にどんぶりを献上していたことから、どんぶりの産地として一躍有名になり、今もどんぶり生産日本一の町として知られる美濃焼の里です。今は駄知産のどんぶりがセットになったどんぶりメニューなどがあり、駄知をPRするグルメとして展開しています。また昭和初期まで使用していた薪窯のレンガ煙突やノスタルジックな町並みなど、カメラ片手にぶらりと訪れたいフィトジェニックな景色がいっぱいです。

そんな駄知の町中に、すりばちの生産量が日本一を誇る明治43年創業の窯元・南楽窯の「マルホンすりばち館」があります。手作りのレンガ煙突はここだけという希少なもので緑に映えたエントランスを上がります。

古いろくろやすりばちが飾られた資料館を通って奥にいくと、梁が巡らされた木造の作業場「モロ」を活かして作られたショップには、多彩なすりばちがそろっています。丈夫で美しい櫛目は100年以上培われてきた技術ならでは。食卓にそのまま出してもおしゃれなすりばちが多数並んでいます。美濃焼の器はふだんの食卓で、和・洋・中のどんな料理にもピタリと合うのでいつも使えます。さまざまな美濃焼にふれて、自分スタイルの食卓をコーディネイトしてみて下さい。

他にも藤山窯や丹沢窯、作山窯などがあり、駄知町でも毎年GWの5月3~5日は「だち窯やまつり」が行われています。展示即売場ではすり鉢をはじめ。マルホンの製品を安く買うことができます。ゴマすりやドレッシングなど、何を作るか考えながらの買い物は楽しいですね。

帰路の途中、瀬戸市・定光寺にある「滝カフェ・きらら」に立寄ります。瀬戸の豊かな自然に抱かれたレトロな古民家カフェで道路から門をくぐって階段を下りていくと渓流沿いに佇むお店の前には、旺滝という流麗な瀑布があり、岩肌に白いしま模様を描くその水景色は、まるで美しい風景画のようである。

築60年の建物を受け継いだ店内には、アンティークな雑貨や骨董品が飾られ、まったりとしたノスタルジックな雰囲気が漂います。木の温もりが居心地の良いレトロモダンなカフェスペースからは、心洗われる水辺の絶景が眺められる。そんなお店の窓際のカウンター席でぜんざい600円を食すことに。滝と清流が創りあげた渓谷美を目の前で楽しめるカフェでした。

 

 

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