美術館と壮大なススキ草原!アートと自然美が競演する仙石原

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神奈川県の西部に位置する「箱根」。東海道きっての難所・箱根峠、箱根八里と箱根関所があり、旅人を随分悩ませましたが、箱根七湯といわれた豊かな温泉は魅力で伊勢講、富士講など、旅の疲れを癒す人で賑わいました。明治以降関所が廃止され、湯治場としてだけでなく、避暑地としても有名になり外国人にも愛され別荘も建てられるようになりました。紅葉に美術、山の湯を謳歌できる箱根は旅の玉手箱。いざ箱根に向かって箱根駅伝よろしく国道1号を箱根湯本、大平台、宮ノ下富士屋ホテル前から小涌谷へ、そして花とアートが調和する仙石原へ。

箱根ガラスの森美術館は、標高650m、緑豊かな箱根仙石原にある日本初のヴェネチアン・グラス専門の美術館です。ヨーロッパの貴族たちが愛した、15~19世紀のヴェネチアン・グラスの名品約100点をはじめ、現代ガラスアートや屋外のガラス作品を鑑賞できます。

エントランスから2Fのバルコニーに出ると、目の前には池を囲むように庭園が広がり、中庭の光の回廊の奥には、大涌谷の白い煙が正面に上り、その両脇に秋色に染まる小塚山と台ヶ岳が見えます。

庭園に出ると、中庭の池の中央には高さ約2.7m、幅2.4mのシャンデリア「パラッツォ・ドゥカーレ・シャンデリア」は、500以上のガラスパーツによって組み立てられた作品で、地上から空へ向かって高くそびえる形態に特徴がります。

庭園中央には仙石原の秋の風物詩であるススキをモチーフにしたオブジェ300本が設置され秋の雰囲気を小粋に演出しています。草丈は約1.5m、その花穂には約100粒のクリスタル・ガラスが咲き誇り、合計3万粒のクリスタルの花が秋色の舌で七色に輝きます。箱根仙石原高原のススキとクリシタル・ガラスの競演が楽しめます。

またクリスマスツリーとしてフラッシュツリーアベーテが登場し、2本で合計15万粒ものクリスタルガラスがちりばめられた「ラ・コッピア」(イタリア語でカップルの意味)は、太陽の光と風を浴びてまばゆいばかりに色鮮やかな七色に輝いています。高さ約10m、約8万5千粒のクリスタル・ガラスで作成された大きなツリーは「ロミオ」、鷹さ約8m、約6万5千粒のクリスタル・ガラスをまとった小さなツリーは「ジュリエット」と名付けられたモミの木をイメージする作品です。

庭園からヴェネチアン・グラス美樹館エントランスへ続く橋に架けられたクリスタルガラスのアーチ「光の回廊」は高さ約9m、全長約10m、約16万粒のクリスタルガラスが箱根を渡るそよ風にゆれ、キラキラと様々な表情を見せてくれます。

木の橋を渡ってヴェネチアン・グラス美樹館に歩み入れば、そこはアドリア海の王女と謳われた往時のヴェネチアです。15世紀から18世紀にかけてヨーロッパの貴族を熱狂させたヴェネチアン・グラスは、まさに卓越した技を尽くした美の極みです。

イタリア・ヴェネチアにあるドゥカーレ宮殿はティントレットやヴェロネーゼらヴェネチア派の画家たちのより豪華に彩られ、ヴェネチア共和国の栄光を象徴する館でした。ヴェネチアン・グラス美樹館の天井にはドゥカーレ宮殿大評議会の間を飾るヴェロネーゼの絵画『ヴェネチアの勝利』と『レヴィ家の饗宴』で彩られ、ヴェネチア共和国の栄華と輝きを今に伝えています。

キリストの生誕場面を再現したヴェネチアン・グラス人形「プレゼビオ」を介して人々が捧げた祈りの軌跡を紹介しています。“東方三博士の礼拝”は、「ユダヤの王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちは東方でその方の星を見て、拝みにきたのです」お告げによって救世主イエスがベツレヘムで誕生した事を知った、東方の三博士の言葉です。三博士は、老年、壮年、青年の三世代、アジア人、コーカサス人、アフリカ人の三人種で多くの場合の描かれます。将来、全ての人々がイエスの教えの下に入ることを示しています。

せせらぎのほとりにある森の小さな水車小屋「Acero」の煙突にはサンタの姿の素敵な演出が。

庭園南西側にある早川の近くまで伸びる誓いの鐘に通じる小径「紅葉の小径」では紅葉散策が楽しめ、イタリア・ヴェネチアで特別に造りあげた「誓いの鐘」は幸せを呼んでくれます。

仙石原といえば秋のススキということで車を走らせます。草原入口には駐車場は無く入口に近づくほど駐車料金は1000円と高くなります。箱根湿生花園方面に向かう途中「近い!七分」の看板につられて停めたところが500円、しかしその奥に無料の駐車場が。早合点はいけません。

仙石原ススキ草原は『かながわの景勝50選』や『かながわの花の名所100選』に選出された景勝地。2万年前には箱根火山のカルデラ湖の一部だった仙石原高原。台ヶ岳北西麓の約22万7000㎡にわたって広がるススキの草原は、秋が深まるにつれてススキの穂が開く。一面黄金色の風景で幻想的であり、草原の中の遊歩道に入れば夢の中に迷い込んだような不思議な感覚になります。遊歩道は直線で700mの折返しです。秋風に波打つススキの向こうに金時山や丸岳の山々が見渡せます。

元々は、火山灰土壌と湿地を利用し、茅葺き屋根用の茅を栽培する茅場でした。現在では、春の迫力満点の山焼き、夏の青々とした清々しいすすき、そして秋には黄金色に輝きだす穂が見られる仙石原の名所になっています。

秋風になびく様子は海原にも例えられ、太陽の逆光を浴びて輝く穂波はさざ波のようです。

箱根の地名には様々な歴史的逸話が隠されています。鎌倉時代に源頼朝がこの地を開墾すれば米千石はとれると言ったことから千石原であったのが、豊臣秀吉に仕え、紆余曲折を経て小田原征伐に参陣し、箱根から小田原に攻め入り早川口の虎口を攻め落とした戦国武将・仙石権兵衛秀久に因んで仙石原と称するようになったとも。いずれにせよ、その時代時代の人々の関心を集めていた仙石原に今宵の宿をとります。

肌に優しい高原の湯を満喫!仙石原温泉「箱根湯宿 然-ZEN」はこちらhttps://wakuwakutrip.com/archives/9616

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