飯能宮沢湖畔の森のムーミンバレーパークで北欧おしゃれ散歩

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宮沢湖を囲むように広がる複合施設「メッツァ」は、フィンランド語で“森”を意味する通り、ありのままの樹木や花を活かした豊かな自然があふれる場所。「ムーミンバレーパーク」と「メッツァビレッジ」の2エリアからなり、ムーミンバレーパークは本国フィンランド以外では世界初となるフィンランドの作家トーベ・ヤンソンの作品に登場する「ムーミン」のテーマパークです。物語に忠実に作られたムーミン屋敷をのぞいたり、水遊び小屋や灯台のある湖畔の風景を眺めてお散歩やカヌーを楽しむうちに、ムーミンの世界に迷い込めます。北欧の風が流れる宮沢湖畔の自然に溶け込む建物やデザインは北欧さながら、北欧おしゃれ散歩に行きましょう。

いま飯能は“埼玉の北欧”として注目を集めています。江戸時代から西川材という良質な材木の産出地として、豊かな森林資源とともに発展してきました。そんな緑あふれる環境と静謐な宮沢湖が、フィンランドの作家、トーベ・ヤンソンが生んだ『ムーミン』の世界観に通じることから、北欧テーマパークのメッツァビレッジと、ムーミンバレーパークが開業したのです。

都心からは西武池袋線で飯能駅で下車、北口じゃらメツァ行きバスで13分ほど、自家用車ならメッツァ入口の駐車場に車を停めます。

森に囲まれた宮沢湖畔は、湖面が空と木々を映し、のどかで閑静、確かにムーミン谷のイメージに近いかもしれません。自然豊かな敷地は広大で緩やかに坂を下っていきます。

豊かな自然の中で北欧のライフスタイルを楽しまる施設がいろいろあるのがメッツァビレッジ。宮沢湖をカナディアンカヌーで水上散歩したり、北欧雑貨や料理を楽しんだりと、入場無料なので気軽に立ち寄れます。正面に見えてきたマーケット棟には、ここにしかないフィンランド発、ヘルシンキの最先端のデザインショップTRE(トレ)や北欧生地の豊富な品ぞろえが自慢のLUNE D' EAU(ルネ・デュ-)などが入っています。

宮沢湖を眺めながら進むと右手にノルディックスクエアと呼ばれる芝生広場

左手には北欧の街並みで見かけるような爽やかなブルーの外観が目をひく「Nordics」。ロイヤルコペンハーゲン、イッタラ、アラビアといった北欧発の世界的テーブルウエアブランドが期間ごとに登場します。訪れるたびに異なる魅力を発見し、食器やメニュー、内装でその世界観を体験できます。ランチにはデンマークのオープンサンドはいかがですか。またソグベルクでは、飯能の西川材を使った北欧ラップランド地方のマグカップ・ククサ作りなどが体験できます。

メッツァビレッジの湖畔には、木の形にくり抜かれたフォトスポットが点在します。

ここからムーミンパーク入口までは湖畔の遊歩道を木漏れ日の中歩いていきます。遊歩道脇にも木の形にくり抜かれたフォトスポットが。

次はいよいよムーミンバレーパークへ。ムーミンは世界中で知られるキャラクターですが、その原点は「小説」です。作者であるトーベ・ヤンソンは、文章と挿絵でムーミンの物語をつくりました。トーベが走らせたペン先からムーミンたちに命が吹き込まれ、物語が生まれていったことからインクツボとペンの上からムーミンとリトルミイが出迎えてくれます。

ムーミンの原作本をイメージした4冊の「」のウエルカムゲートがムーミンの物語の入口です。それぞれ、ムーミントロール&スノークのおじょうさん、スナフキン&リトルミィ、ムーミンママ&トフスラン・ビフスラン、ムーミンパパ&ニョロニョロのシルエットが描かれています。本の後ろや脇ものぞいてみると、各キャラクターを象徴するようなエピソードが原作からスウェーデン悟で引用されていて、たくさんの仲間たちが出迎えてくれています。

ムーミンバレーパークの玄関であるエントランスの「はじまりの入り江」エリアに使われているのは鮮やかな黄色。「期待感」「明るい」「希望」などの意味を連想させる黄色は、メインカラーとして、建物の外観やショップ店内、エントランススタッフのコスチュームにも象徴的に使われています。“LIPPU”はフィンランド語で「チケット」の意味です。

ゲートをくぐれば自然豊かなムーミンの物語の世界が待っています。ゲートの先ここエントランスにあたる「はじまりの入り江エリア」、まるでムーミン谷に訪れたかのような物語の数々が散りばめられています。

さらに進むと湖上に飛び出す」ような形で水遊び小屋が見えてきます。海が大好きなムーミンたちがひと休みできるように、ムーミンパパが建てたものです。夏の海に飛び込んだり、日光浴をしたりするところです。ところがこの小屋、冬には別の住人トゥーティッキがいて春になるときちんと掃除して、ムーミン一家に返しています。水遊び小屋の中には、トゥーティッキさんのボーダー柄と青い帽子や小物が展示されています。

近くにはストーリーの扉と名付けられたその場所にまつわるムーミンの物語を、パークオリジナルのショートムービーで紹介しています。ここ以外にも4ヵ所あるので探してみるのもいいですね。ムーミンを知らないこどもたちはもちろん、昔ムーミンのアニメを見ていた大人たちも楽しめます。

ここから遊歩道では、この時期、約1200本の傘が約200mの遊歩道を彩る「ムーミン谷とアンブレラ」が開かれます。アートディレクターは、ブランド「マリメッコ」などでデザインを手掛ける鈴木マサル氏。木漏れ日が色とりどりの傘を通して射し込み、緑の木々と相まってとても幻想的な雰囲気を醸し出しています。

.ゲストを迎えてくれるスナフキン

いよいよ「ムーミン谷エリア」へ。宮沢湖と森に抱かれた自然あふれる園内に足を踏む入れると、青い木壁と赤いとんがり屋根のムーミンの屋敷が!まるで物語のなかに迷い込んだかのような雰囲気に、歩いているだけで幸せな気分になります。

ムーミン谷の入り口にあるのが、ムーミンとその仲間たちによるライブエンターテイメントショーが楽しまるエンマの劇場。ムーミントロールやリトルミイたちがリードする歌とダンスに参加できます。ムーミンの物語のエピソードの一つ、6月の日の長い頃のこと、大洪水み見舞われた時に流れてきた「エンマの劇場」。ムーミンたちは劇場に移り住んだのですが、そこは年をとった劇場ねずみのエンマにとって「世界で一番大事な」劇場でした。その後、ムーミンパパたちは、エンマの指導のもと、芝居を上演することに。スナフキンとの再会も、ムーミンたちが困難をのりこえたのも、心を閉ざしたミーサが元気になったのも、散り散りになってしまったムーミン一家が再会できたのもみんな芝居のおかげでした。

小川にかかった橋を渡り、ムーミン屋敷へ。ムーミンたちが住んでいるムーミン屋敷は、ムーミンのパパが設計図を書いて、自分で建てた理想の家です。かつてムーミン族がタイル張りの大きなストーブの後ろに住んでいたころの名残りなのか、タイルストーブによく似た形をしています。「ムーミンの屋敷」は見所のひとつで時間予約制。原作を忠実に再現したムーミンの家をグループごとにガイドの案内で探索します。ディテールにこだわり、屋敷内の家具や雑貨は、クリエイティブディレクターがフィンランドを中心に買い付けてきたもので、“本物”のよう。ムーミン一家の生活の痕跡が方々に見られ、映像や音響を駆使した“しかけ”が楽しめます。

地下室は貯蔵庫、1階はキッチンとダイニング、2階はリビングとムーミンパパ・ムーミンママの部屋、3階はムーミントロールの部屋とリトルミイの部屋とスノークのおじょうさんの部屋、屋根裏にはムーミンパパが執筆を行う書斎があります。ムーミン屋敷のガイドツアーは食料貯蔵庫であり、ムーミンママの薬剤室がある地下室からスタートです。ほの暗い地下一階には、保存食や穀物、手製にジャムなどの瓶詰めがあちこちに。山や森の植物にも詳しいムーミンママが、おばあちゃんから受け継いだ調合書を片手に、家族のために秘伝の薬を調合している姿が思い浮かびます。

続く1階は、家族そろって食事をしたり、客人をもてなす場としてよく物語に登場するダイニングキッチンです。素朴で愛らしい調度品はもちろん、家族の写真が壁一面に飾られています。

ダイニングテーブルには、キュウリのサンドイッチにムーミンママお手製のベリーソースのかかったパンケーキやクッキーの香ばしい匂いが今にも漂ってきそうです。写真手前左隅のダイニングチェアには、本を積み上げて作ったリトルミイ専用の椅子が再現されています。

ムーミンファミリーそれぞれの個室がある2~3階エリアは、キャラクターをより深くイメージすることができるスポット。こちらはムーミンパパとムーミンママの寝室をイメージしたお部屋。ベッド上の窓には新婚当時の写真とムーミンママが命の次に大事にしているというハンドバッグ。ソイングセットや替えのソックスが入っているようです。

このフロアや屋敷内のいくつかの場所に、毛むくじゃらの風貌で知られるムーミンの御先祖さまがいます。

3階は子供たちの部屋。ここにも物語のさまざまなシーンを思い出させる小物たちがたくさん。ムーミンの部屋はムーミンパパに似て、冒険や空想の世界に関心を持つ男の子。描かれている絵画のモチーフや、飾られている小物にも原作の要素がしっかりと反映されています。

とても小さなリトルミイのお部屋は、小窓から覗かせるスタイルで展示。リトルミイのサイズに合わせて設計されたクローゼットなど、細かい部分までちゃんと作り込まれています。

ムーミンの恋人のスノークのお嬢さんが泊っているゲストルーム。

冒険家だったムーミンパパの書斎にあるテーブルには、地図や地球儀など当時を思わせる小物が置かれています。

ムムーミンパパの書斎はロフトの上にあるので、潜水スコープで覗くというおもしろいスタイルで鑑賞します。

隣の並びには、「ムーミン谷の映画館」と若き日のムーミンパパと冒険の旅に出る大迫力の体感モーフィングシアター(約15分)「海のオーケストラ号」は並んで建っています。上演時間が間に合った隣の海のオーケストラ号へ。

ムーミンの物語を追体験できる施設のひとつが「海のオーケストラ号」です。“勇気”、“挑戦”、“友情”、“家族の絆”をテーマとしたです。壁・床への映像投影に加え、立体造形物も登場する体感モーフィングシアター。大迫力の美しい映像が、巨大スクリーンと床一面に広がって迫ってきます。

ムーミンの物語に登場する「海のオーケストラ号」に乗って、若き日のムーミンパパ、スナフキンのお父さんとなるヨクサル、スニフのお父さんとなるロッドユールたちと一緒に冒険を楽しむ、光と風を体いっぱいに感じられるアトラクションです。

いったん「ムーミン谷エリア」を離れ、「おさびし山エリア」へ。宮沢湖畔に建つ灯台は『ムーミンパパ海へ行く』に登場しています。ムーミンパパは暇で、ただ新しい生活を始めたい、家族に頼られたいというムーミンパパの強い思いにしたがって、一家でこの灯台に移り住んだのです。

水遊び小屋からボートで出発してたどり着いた島は、岩石だらけのまともな植物も育たない、ムーミン谷とは真逆の場所でした。ムーミンママは日に日にムーミン谷が恋しくなっていき、それで自分の庭を思い浮かべながら、灯台の壁いっぱいにお花の絵を描きました。

ここにもストーリーの扉があり、灯台にまつわるムーミンの物語を、パークオリジナルのショートムービーで紹介しています。

さらに進むとムーミンパークの最奥に「スナフキンのテント」があります。テントの中を覗くと積み上げられた箱が置かれ、テントの前ではムーミンの親友のスナフキンが焚火にあたって一人の時間を楽しんでいます。

戻りは灯台付近から小山を登り「おさびし山エリア」にあるヘムレンさんの遊園地へ。小説『ムーミン谷の仲間たち』にある“しずかなのが好きなヘムレンさん”のストーリーをモチーフにしたアズレチックが楽しめます。かつて遊園地で働いていたヘミレンさんはしずかなのが好きで老後が年金で暮らしたいと思っていましたが、遊園地の閉鎖を知り、自ら遊園地を作ってしまったというエピソードをイメージして造られたツリーハウスです。

奥には小説『ムーミン谷の彗星』に登場するおさびし山天文台が建っています。mジューミンやスニフ、スナフキンたちが大冒険しながら目指した天文台です。

ここにもストーリーの扉があり、おさびし山にまつわるムーミンの物語を、パークオリジナルのショートムービーで紹介しています。

おさびし山を下りて遊歩道に戻ってきたところにあるのが「飛行おにのジップラインアドベンチャー」です。別途3000円の利用料がかかりますが、帰路に利用すると、飛行おにのように風を切り、宮沢湖上を越えて滑走して一気にメッツァビレッジに戻れます。飛行おには高い高い山のてっぺんに住み、黒ひょうに乗って世界中の空を飛びまわりルビーを集める魔物です。ある日、飛行おにが300年探していた世界で一番大きいルビー『ルビーの王さま』の輝きに導かれてムーミン谷にやって来たのです。

むームーミン谷まで戻ってくると宮沢湖畔には「ポスティ」「ニプリングの店」「リトリミイの店」が並んでいます。「ポスティ」では壁一面に様々なムーミン谷の仲間たちのポストカードが並び、パークで書いた手紙にオリジナルスタンプを押してポストに投函できます。「ニプリングのお店」は、ボールを転がしてビンゴを狙うアーケードゲームが楽しめます。「リトルミイの店」はリトルミイ専門店。

向かいにある「ムーミン谷の映画館」に入ります。いたずら好きな主人公リトルミイが繰り広げる、コミカルなドタバタ劇が楽しめるシアター型体験施設(約15分)「リトルミイのプレイスポット」が、2024年3月にリニューアルオープンし、フィンランド制作ののアニメ『さびしがりやのクニット』を上映中です。小さくて臆病な生き物「はい虫」のクニットが孤独に耐えかねて一人ぼっちで住んでいた家を飛び出すシーンから始まる物語。外の世界でさまざまな出会いや勇気を知ることでクニットが成長していく原作者トーベ・ヤンソンが描いた色彩豊かな絵本の世界がそのまま表現された美しいアニメーションです。

休憩とお土産探しを兼ねて最後に訪れたのが「コケムスエリア」にあるフォトスポットも満載な展示施設「コケムス」。コケムスとはフンランド語で「体験」を意味し、ムーミンの物語を追体験でき体感施設です。建物前の白いムーミン像はフィンランドのムーミン美術館のオマージュ。

キャラクターが潜んでいる壁面のつるに誘われて進みます。よく見ると葉っぱには虫食いのあとがいっぱいあり、おなじみのキャラクターたちが隠れています。

その先にはトーベ・ヤンソンが優しくムーミン谷の仲間たちを包み込む木造「トーベと仲間たちの像」が出迎えてくれます。ヒノキでつくったモニュメントでムーミンたちの大きさはほぼ実物大です。

2階から3階にかけて螺旋階段の吹き抜けいっぱいに再現された特大サイズのジオラマにはムーミン谷の精巧な世界が広がります。彗星、夕暮れ、冬、白夜と15分おきにかわる演出にも注目です。ムーミン屋敷の模型はゆっくりと回転していて、内部が見える瞬間もあり、先ほど訪れた記憶が甦ります。

ムーミンたちの住んでいるムーミン谷はとてもきれいなところ。そこには小さないきものたちがたくさん幸せに暮らしていて、大きな木々が青々と繁っていました。。春が来ると、ムーミンママの庭や谷じゅうの花が満開になります。夏の間、ムーミントロールはたくさんの友だちと楽しい冒険をして過ごします。そして秋には冬眠の準備が始まり、ムーミン谷が雪で覆いつくされる前に、多くの仲間たちは深い眠りにつくのです。左下には庭いじりをするムーミンママとニンニ。

2階と3階には、ムーミンの物語の世界観や歴史を学ぶのに最適な展示がたくさんあります。2階の常設展「ムーミン谷のギャラリー」には、小説や絵本、コミックなどの原作の挿絵とともに、ムーミンの物語の魅力的な“ことば”を展示。

みまた企画展「ムーミン谷のしあわせなくらしのかたち展」では、ムーミン屋敷では実際に入ることができない「ムーミンパパの書斎」や「リトルミイの部屋」も再現されています。写真はリトルミイの部屋。

3階はフォトスポット満載。カラフルなエリアでトーベ・ヤンソンが最初に出版した絵本『それからどうなるの?』の世界に入り込んだとうに物語が楽しめます。各ページにあけた穴をくぐって物語が展開する絵本をそのまま体感できます。ミムラ姉さんといっしょに、リトルミイを探しにでかけましょう。絵本の住人気分で記念撮影ができます。

1階に戻り「ムーミン谷の売店」へ。ムーミンバレーパーク内でグッズの品揃えが一番豊富なショップ

最後は疲れを癒しにムーミンバレーパーク内で一番大きな飲食店「ムーミン谷の食堂」へ。ムーミンの世界観を感じることのできる店内で一息です。

名残を惜しみながら遊歩道を駐車場へと戻ります。

飯能市内にはもうひとつフィンランドの作家トーベ・ヤンソンの「ムーミン童話」の世界をモチーフにした公園があります。それが飯能駅を挟んで反対側にある「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」です。入園料無料の市民公園は、近隣の子連れファミリーを中心に。多くの観光客が訪れています。

童話の世界に迷い込んだような景色が広がり、園内には個性的な建物が点在しています。夜には幻想的なライトアップも実施。写真は不思議な形状の「きのこの家」で家の中にも入ることができます。

ツリーハウスやプチアスレチックなど、子どもの好奇心や冒険心をくすぐる仕掛けがたくさんあります。北欧グルメも味わえるカフェプイストも人気です。

ところでフィンランドといえばサウナが有名ですが、偶然にもメッツァビレッジの隣には宮沢湖温泉 喜楽里別邸があります。湖を望む露天風呂とサウナで汗を流したあとは、火照った体をクールダウンしにテラスへ。そこには夕日に染まる宮沢湖があり、豊かな自然に育まれた“埼玉の北欧”の旅の締めにふさわしい風景が広がっています。

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